「・・・・・・・眠いや・・・・・・・・・・・・」


只今午前8時。 今日は日曜日。

は1回目を開けたがすぐにまた閉じて眠ろうとしていた。

「おい」

「んっ・・・・・・・」

「・・・・・おい!」


「・・・・・・・・・・・・・・・・」

・・・・・・・返事がない。

「早く起きねえと、襲っちまうぜぇ?」


『ガバッ』


その瞬間、 は大きく目を見開いてものすごい勢いで起き上がった。

「・・・・・・・・・・・バクラ」








贈り物









 「前言ったよねぇ・・・勝手に部屋入んなって・・・・・・・・・」

「言われた覚えがねぇな」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

はバクラを睨み付けるが効果はない。

「おっと・・・・・・んな顔すんなよ・・・・・・・・・」


「あ・・・・」

「ま、俺様も気の強ぇ女は嫌いじゃねぇけどな」

バクラは の顎を持ち上げ、自分の顔を近づける。 そして邪悪な笑みを浮かべていた。

「ちょっ・・・・・大体いつもどうやって入ってるわけ!?」


「んなモン決まってんだろ、ピッキングだ」

「マジでそれやめれってホント鍵壊れる、ほら合鍵あげるからさ」


この発言が後に自分の身を危険に曝すことを彼女は知らない。

「・・・・・・ほう」

バクラは を解放すると、手を突き出してきた。

「だったら、さっさと渡しな」

「・・・・・・・・・・はい」

が机の引き出しから取り出した鍵を奪うと、バクラはそれをポケットの中に入れた。

「なくさないでよね? 合鍵それしかないから」

「お前ん家の鍵なんか誰がなくすかよ」

「・・・・・で、今日はまた何の用で?」

「そりゃ、てめえが日曜だからって寝坊しないかどうか、な」

『余計なお世話だ・・・・・・・』と は溜息をつくがバクラは聞いていない。

お前、いつか2人でどっか行きたいとか言ってただろ?」

「え、あ、まぁ・・・・・・・・・・・」

「今日行こうぜ」

「今日っすか」

「そうだ、感謝するんだな」

は黙ったままバクラを見上げていた。

「・・・・・・・・・・何か企みでも?」

「あるわけねえだろ、それとも何だ、1日中俺様とヤりたいってか?」

「い、行きます!! 行かせていただきます!!」


その表情は青ざめていたという・・・・・・・・・・・・・・・






 「着替えてきたよー」

「おう」

「で、どこ行くわけ? つか朝飯まだなんだが」

「だったらさっさと食うぜ。 そうだな・・・・・・・・お前の行きてえところでいい」

トーストを口に頬張りながら は頷いた。

「はい、これバクラの分」

「お、サンキュー」

「・・・・・にしても、何でまた急に?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


急に黙り込んでしまうバクラ。 呆れているようにも見える。

「・・・・・・・まいっか、えっと、どこに行こう・・・・・・・・・・・」

その時、 の目に1冊の雑誌がとまった。

『オススメ☆デートスポット特集』と大きな字で書いてある。

(別にデートってわけじゃないけど・・・・・・・楽しめそうだしあそこから選ぶか)


パラパラとページをめくっていると、ある写真が目に入った。

「うわぁ・・・・・・」

「どうした?」

観覧車を中心とした、きらびやかな夜景。

「ここに行きてえのか?」

「ん・・・・」

「だったら早く行こうぜ」

「ちょ、まだ早くないですか」

「あァ?」

「私、夜景見たいんだけど・・・・1日中遊園地なんかにいたら疲れるって」

今は丁度午前9時。

「だったら他の場所にも行けばいいだろ?」

「え・・・・・・・・・・」

バクラは の手から雑誌を奪い取り、ページをめくっていく。

「・・・・・・・・・・・よし、こことここだ」

「・・・・・・・うっわ」


「そうと決まったら行くぜ」

こうして、2人の忙しい(?)1日が始まるのだった・・・・・・・・・・・・・・・・

















 「まずは・・・・・・ここの公園だっけ」

バスを降りて、 は外の空気をたっぷりと吸い込んだ。

「あぁ、そうだ」

「ほぇー・・・・・・・・・結構綺麗なとこなんだ」

時間帯のこともあって、人はそんなに多くない。

「こんなとこで何すんの」

「チッ・・・・・・・夜に来るんだったな・・・・・・・・・」


「だから何」


「夜なら完全に人気もねぇだろ?」

「だから何ィィィ!?」

バクラは『帰りにでも寄るか・・・・・・・・・』と呟いている。  は溜息をついた。

「にしても、こういうとこに来るとすっきりして目が覚めるよ」

「だろ?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

2人はしばらくその公園で他愛のない話をした後、またバスに乗った。









 2人が次に来たのは大きな通り。 どちらかというと夜に賑わう街だ。

「・・・・・・・遊園地に先に行った方がよかったか・・・・・・・?」

「いやそれじゃ夜景見る前に疲れるから、しかもさっきからきょろきょろ辺り見回してるけどここホテルばっかですよねちょっと」

「さっきの公園よりもこっちの方がよさそうだな」

「ちょ、さっきから何ィィィ!!?」

は帰りたくなったがバクラと夜景を見るためにもここは我慢する。

「まぁ落ち着けよ・・・・・・・おら、あそこに行くぞ」

バクラが指差したのは小さな店。 わりと綺麗な店だ。

「・・・・・・・・・・・・・・わぁ!!」


中にはアクセサリーやインテリアなどがずらりと並んでいた。

「好きなのを選びな」

「へ?」

「俺様が特別にプレゼントしてやるよ」

「れ・・・・・・Really?」


突然のことで は混乱しているようだ・・・・・

「早くしねえと置いてくからな」

「あ、待って」

は迷うことなく1つのペンダントを持ってきた。

「おいおい、いいのかよ」

「ん、これって決めた」

「ならいいが・・・・・・・」

バクラはレジまで を連れていった。

「そのままでいいぜ」

「かしこまりました」

店員からペンダントを受け取ると、バクラはそれを の首にかけた。

クリスタルにビーズを通した針金を巻きつけ、その針金の先に麻紐をつないだものだった。

「・・・・・・・・ありがとう」

「・・・・・・・・・・・・さっさと行くぞ」

照れているのか、バクラは に背中を向けて歩き出す。

「待ってよ」

店を出たバクラを追って が走ってきた。

歩幅を重ね、並んで歩く。

「・・・・・・・・・・・・・・・・」


バクラは黙って の肩を引き寄せた。

「・・・・・・・・・へへっ」


嬉しそうに笑って はバクラにくっつく。

ついこの間まで恋愛のれの字も知らないというか、全く意識も何もしていなかった だが、今は照れくさそうに頬を染めている。

そうさせたのはバクラ以外の何者でもない。

「次はやっと遊園地かぁ・・・・・・・・・・・でもちょっと疲れた、ゆっくり歩こう?」

「あぁ、そうするか」










 そして2人はバスで遊園地に辿り着いた。

「うーん、やっぱ人多いや」

中に入ったはいいが、日曜なのでやはり混雑している。

「いいか、俺様から離れンじゃねぇぞ」

「ん、分かった」

バクラはしっかりと の手を握った。

「まずどこにする?」

「そうだな・・・・・・・・・・・・お、あそこがいいな」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

モンスターハウスすなわち、お化け屋敷。

「私が怖がりだって知らなかったっけ・・・・・・・??」

「俺様がついてるんだぜ、心配すんな」

「うぅ・・・・・・・・」

しぶしぶ はバクラに連れられお化け屋敷に入っていった。



 「やああああああああああああッ!!!」

「・・・・・・・・まさかここまでとはな・・・・・・・・・・・・・」

あるもの出てくるもの全てに驚き、叫び、これ以上ないというほど怖がっている。

「落ち着けよ、ほら」

バクラは の頭にポンと手を乗せ、撫でた。

「んっ・・・・・」


はバクラに強く抱きつき、目をギュッとつぶっている。

「・・・・・・俺様が悪かったな、さっさと出るぞ」

返事は聞こえなかったが頷いているのは分かる。

2人は足早にお化け屋敷を出た。

仕掛けのお化けが奇声を発した時、 はバクラを締めつけていたという。



 その後も は、

「やあああああ死ぬうううううううううう!!!」


ジェットコースターで叫び、

「やだあああああああ落ちるうううううううう!!!」


落下系絶叫マシーンで叫び、

「ああああああああああああもうダメええええええ!!!」


後にこうも声を上げることになるのである・・・・・・・・・・・・

「・・・・・・・・・大丈夫か?」

「つ・・・・・次はもっとゆっくりしたものを・・・・・・・・・・・・・・・の前に何か飲み物」


そろそろ暗くなってきている。

2人はベンチに座っていたが、バクラが飲み物を買いにどこかへ向かっていった。




 「ふぅ・・・・・・・・」

「おじょーちゃん」

「ん?」

柄の悪そうな男が3人。

「こんなとこで1人で何してんの?」

「よかったら俺達と遊ばない?」

「よく見たら君めちゃくちゃ美人だし?」

の表情が曇る。

「悪いけど連れがいるんで、他の人でお願いします」

「そう言わないでさぁ・・・・・・・・・・」

1人の手がのびる。  は構えるがその前に・・・・・・・・・・

「テメェ、俺様の女になにしやがってんだ・・・・・・?」


バクラが男の胸ぐらをつかんでいた。

「ひっ・・・・」

「用がないならさっさと失せな。 それとも・・・・・・俺様とやるってか、あぁ!?」

「「「す・・・・すいませんでしたーー!!」」」

男達は一目散に逃げていった。 いい気味だ。

「おい、何かされなかったか?」

「え、あ、大丈夫ーもうちょっとで私があいつらを殴り飛ばすとこだったけどね・・・・・・・・・・ひゃぁっ!?

の頬に当てられていたのは、冷たく冷えた缶ジュース。

「飲めよ」

「うん・・・・・・・バクラは?」

「そうだな・・・・・・・・」

バクラは の開けた缶を素速く奪い取ると、それを一口飲んだ。

「俺様はこれで十分だ」

「あーーーーッ!!」


「ほら、飲んでいいんだぜ?」

「・・・・・・・・遠慮します」

「いいのかぁ? せっかく買ってきてやったのに」

ほらほら、とバクラは缶を突き出す。

「飲まねぇなら俺様が全部飲んじまうぜぇ?」

そうして一口ずつバクラは缶ジュースに口をつけた。 ついには空っぽになってしまう。

「ったくお前は・・・・・・・・」

バクラはもう1本ジュースを取り出した。

「あ、あるんじゃん!!」

「まぁ待てよ、これはここじゃぁ飲ませられねぇな」

缶を高くあげているバクラに対して手をのばしてその缶を取ろうとする

「あそこなら飲ませてやるよ、急ぐぞ」

「あれって・・・・・・観覧車?」

かなりの行列だ。 主にカップルが並んでいる。

「時間かかるよ?」

「まぁ見てろって」

2人は観覧車の方へ向かった。











 「おいテメェ等、そこをどきな」

「は、はいっ!」


(すいません・・・・・ホントすいません・・・・・・)


バクラが前に並んでいる客を脅しているせいで、 とバクラはどんどん前の方へ進んでいた・・・・

「こんなモンだな」

「はぁ・・・・・・・・・」

後ろからの視線が痛い。

「あ、私達の番みたいだよ」

ゴンドラが回ってくる。 ピンク色をしていた。

はドアが閉まった直後に手を出した。

「何だ?」

「ジュースちょーだい」

するとバクラは不敵に笑いながら缶を取り出す。 そして、開ける。

「さて、

「ま、まさかまた飲むつもりじゃ・・・・・・・・」

「最後まで聞け。 ・・・・・・目ェつぶりな」

が言われた通りにすると、バクラはジュースを口に含んだ。

「・・・・・・・!!?」

の口の中に甘い炭酸が広がる。

「クク、美味いだろ?」

「バ・・・バカ・・・・・」


「いいのか、これくらいでそんなに顔赤くして」

「どういう意味だよ」

バクラからようやく缶を受け取った が、頬を赤く染めながら言った。

「このあともっとイイことしてやるってのに」

「いいこと・・・・・?」

「・・・・・ま、いずれ分かるさ」

この時、彼女は後々自分に起こる不運を知らなかった。









 2人の乗るゴンドラが1番上まで来た時。

「・・・・・・わぁ!!」


オレンジ色に輝く夕陽が見えた。

「綺麗・・・・・・・」

「そうだな」

「もしかしてバクラ・・・・・・・知ってた?」

「まぁな、雑誌に書いてあったぜ」

この時間帯、観覧車から見る夕陽がとても綺麗なこと。

「今日は・・・・ありがとう」

「何勘違いしてんだ?」

「へ? ・・・・・・あぁ、夜景も見ないとだね」

ゴンドラはゆっくりと降りていく。

「・・・・・

「え?」

バクラは座ったまま を抱き締めると、薄く開いた唇を塞いだ。

「・・・・・・・・・・・・・またか」

「何度だってしてやるぜぇ?」

「いいです」

夕陽の光のせいだけでない赤い頬を隠すために、 はそっぽを向く。

「そう怒るなって」

結局ゴンドラを降りるまでその状態が続いた。






 「・・・・そろそろライトアップの時間か」

いつの間にか周りには親子連れも少なくなり、カップルが増えている。

「・・・・・・あっ!!」


一瞬で視界が眩しくなったかと思うと、そこには美しいイルミネーション。

観覧車は光の形を変えながらゆっくりと周り、噴水はショーが始まったように光りながら高く揚がっていく。

「・・・・・・・・・・・・」

アトラクションは全て、光り輝いている。

幻想的な雰囲気が辺りを包み込む・・・・・・・

「あ、あのメリーゴーランド綺麗!」

「お、おい・・・・・・・・・・・」

は元気になってバクラを連れ回していた。



「次は・・・・・・・・って、お腹空いたなぁ」

「じゃ、そろそろ行くか」

「・・・・・・・・家帰るのに結構かかるよ」

「だったら泊まってけばいいだろ?」

「どこに」

もしかして・・・・・・・・・・と は心の中で思った。

「今日行っただろ、あそこのホテルだ」

「やだ」


「おっと、テメェに拒否権はねぇぜ」

「だって明日学校だし・・・・・・・・・」

「休めばいいだろ?」

遊園地から出て、2人はバスを待っていた。

「・・・・・・・・仕方ないな」

「お、やっとその気になったか?」

「手、出したら怒るよ」



















 あなたに貰った沢山の贈り物。

最後にたっぷりツケがまわってきたけれど。

・・・・・・・・・夜は一気に明けた。









































































何だこれ、長い上駄文じゃん、何だこれ。
盗賊王から浮気しないという信念を見事闇マリクに揺るがされたんですが、もとは闇バクラが好きでした(この浮気者
ど、どんどん話がそれていく☆rz
ちなみに皆さん、ラブホは普通に『休憩』にも使えるんですよ(男子がそう言っていた
ここでは単に『ホテル』ですけど。
シリアスじゃないのに黒背景。
さて、闇マ夢早く書かないと・・・・・・・・・