爽やかな昼下がり。

青い空、白い雲、心地いい風。

「・・・・ってどこが爽やかなんだよ!」


それは1時間ほど前の話。

突然空が曇りだし、今となっては雷まで鳴り響いている。

「あんなに天気よかったのにな・・・・・・」

(一応折り畳み傘は常備してある。 でもこんな状態じゃ無理だ、避雷針だよ避雷針!!)←意味不

先ほどから溜息ばかりついている少女の名は、

「・・・・・・っひゃぁ!!」


近くに落ちたらしい。

「ったく・・・・・・これだから雷は・・・・・・・」








1.雷鳴と共に









 今日は土曜日。

夕飯の食材を買いにスーパーまで行った帰り道、突然空模様が怪しくなり、今ではこうだ。

「濡れて帰るかな・・・・・・・・」

風も強いので、どちらにせよ傘は使えない。

は思い切って雨宿りをしていた屋根の下から飛び出した。

「うぅ・・・・・冷たい」

急いで帰ろうと走り出した、その時。

『ピカッ』


「うあああああっ!!?」


の視界は光でいっぱいになった。

そう、の目の前に雷が落ちたのだ。

「ん・・・・・・・・」

が目を開くと、そこには。

「!!・・・・・・・・・人!? だだだ大丈夫ですか雷にうたれましたか!!?」


「・・・・・・・うう・・・・・・・・・・」

顔はよく見えないが、は思わずその男の身体に触れた。

「あれ、痺れてない・・・・・って、気ィ失いかけてる!

・・・は、その男を家まで連れていくことにした。







 「・・・・・・・くっ・・・・・・・・」


「お、気がついた?」

季節ではないというのにストーブのつけられた部屋。

そこに2人はいた。

「・・・・・ん・・・・・・・・・」

少し低めの声で起き上がった男を見て、は思わず青ざめた。

(どっかで見たことあると思ったら・・・・・・この人、まさかマリク・・・・!?)

褐色の肌、逆立った金髪。

そう、が昔読んでいた『遊戯王』という漫画の、キャラクターそっくりだったのだ。

(いやマジで、偶然だよな偶然。 でも、似すぎだよいくらなんでも・・・・・一応名前聞いてみようかな・・・・・・)

「・・・・ここは、どこだ」

「あ、あの・・・・・・・・」

は恐る恐る声をかけてみる。

「おい、そこの女」

「はぅっ!?」


は大きな声をあげてしまい、男に睨まれた。

「ここはどこだ」

(ひぃっ・・・・返答次第じゃ殺されるかも・・・・)えーっと・・・・・私の家?」

「だったら、貴様は誰だ」

(今噛んだ!? 『きしゃま』って言った!?)


とにかく、ここは名乗るところなのだろうか。

「あ、私は。 帰り道を急いでたらおま・・・あなたががいたから、ほっとくわけにもいかず連れてきた」

は、雷のことは敢えて言わないことにした。

「・・・・・・とりあえず、寝てた方がいいよ(一応雷にうたれた?わけだし)」

「・・・・・・・・・・・・」

(え、ななな何故にそこで睨むんだ!? いや別に怖い顔なわけじゃないけど怖い・・・!!)

何せの知る『マリク』は、一応危険人物(?)であり。

彼のことはよく知らないが、にもそれが分かった。

「そうか・・・・・・・」

(あれ、意外と大人しい)

は思い切って聞いてみた。

「えと・・・・・どうして道の真ん中に・・・・・・・・(あー聞き方間違えた!)」

「・・・・・・分からない」

「ん?」

「記憶がない」







 沈黙が続き、雷は止み始めたが雨の音が響いた。

「記憶が・・・・・ない?」

「ああ、自分が何をしていたかもな」

「じゃ・・・・名前は?」

「・・・・・・・・マリク」

は思わず顔を引きつらせる。

「マリク=イシュタールだ・・・・・・・それは思い出せる」

「は、はあ・・・・・・そうですか・・・・・・・・(ヤバいよこれちょっとフルネームで合ってるじゃん何これーー!!?)

その時、マリクがベッドから降りようとしたので、は慌てて止めた。

「ちょっ、さっき寝てた方がいいって言ったじゃん!」

「・・・・・・・・・」

マリクはの言葉を無視して歩き出す。

「・・・・・病人が何やってんだ。 熱あるんだよ・・・・そりゃ、雨に打たれてたらな」

「くっ・・・・・」

『バタン!』


(言わんこっちゃねえ!!)

倒れたマリクの身体を、は持ち上げてベッドに寝かせようとした。

「とにかく動くな!」


「ううっ・・・・黙れ!」


「てめえが黙れ!!」


は思わずいつもの口調が出てきてしまい、とっさに口に手を当てるが、時既に遅し。

「貴様・・・・・・・・・・」

「す、すいません!! 氷とってきます!!」


は逃げるようにしてその場から離れていった。

そして少し経つと、また部屋に入ってくる。

「・・・・・はい、氷」

「・・・・・・・・・・・・・・」

はそれだけ言うと、ハッとしてまたキッチンに戻っていってしまった。

「・・・・・・・?」







 「食欲、あるか? 一応粥作ったんだけどさ」

「・・・・フン、食ってやってもいい」

(何この態度、いや確かに素直なマリクもどうかと思うけど)

だが、マリクは一向に口にしようとしない。

「・・・・・食わないの?」

「はあ? 何言ってやがる、貴様が食わせろ」

「・・・・・・・・・(気分はよくなったみたいだけど元気になったとたん何ですかこの人は)」


は仕方ない、といった様子で溜息をつき、粥をマリクの口元まで運んだ。

「・・・・・おーい、食えったらー」

「・・・・・・・・・・・」

(こいつはァァァァ!!)・・・・・口、開けて」

ようやく一口目。

そんな調子で、やっと粥を食べさせ終わり、が一息つくと。

「おい」

「ん?」

「もう1杯持ってこい」

「が・・・・・・!!」

・・・・・がブチ切れたのは言うまでもない。












 「とりあえず泊まってけ。 今日はもう遅いし・・・・・」

「・・・・・・ああ」

「ちなみに、ここがマリクの部屋ってことで、ここで寝ていいよ」

がマリクを寝かせていた部屋だ。

「・・・いいのかよ?」

「ま、もう使わないしね」

「・・・・・?」

そう言ったの表情が淋しそうだったのは気のせいか。

「ああそうだ、風呂入りたいなら入っていいよ。 そしたらとりあえず明日は学校もないし、これからのこと考えないとな」

それだけ言うと、は部屋から出ていってしまった。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

マリクは黙っていたが、やがてポフッと音を立ててベッドに腰を下ろす。

「・・・・・・・・変な奴だ」






























  彼は、雷鳴と共に現れた








































































  

闇マリクが好きすぎて好きすぎてどうしようもないから幸せなのを書きたくて逆トリップ。
しかも記憶なくしてます。 あははははははは!
最近マリちゃん描くのにハマってます。 自分の下手絵でも愛せてしまうほどの闇マリ中毒。