翌朝。

『ピピピピッ ピピピピッ 』

「んぅ・・・んん・・・・・・・・」


布団の中から の白くて細い腕がのび、目覚まし時計を手にとる。

が小学校の時買ってもらった写真立ての右側が、目覚まし時計になっていた。

「ふぁ〜ぁ・・・・・・・」

夜空と夜景の美しい絵と綺麗な装飾で飾られたそれを見ていると、何だか1日が始まった気分になる。

左側のまるいフレームに、まだ写真は入っていなかった。

「ん・・・・・と」

は写真立てを裏返してスイッチを『OFF』の方へスライドさせた。

「・・・・・・・・・夢、だったのかな」

小さく呟くと、 は私服に着替えて、部屋を出た。

途中にある『マリク』の部屋の前を通りすぎて。








2.夢じゃない








 「・・・・・・・・」

階段を下りて、 は朝食を作るためキッチンへ向かった。

そこには、いつもあるはずの昨日夕飯として作ったものの残りはなかった。

確かに、彼は昨日ここで夕食を食べたのだ。

朝食の量としては充分な、夕食の残りの分も食べてしまって。

「夢じゃなかったんだ・・・・・・・」


とりあえず、今は彼、マリクのために朝食をいつもよりたくさん作らなくては。

(何がいいかな・・・今ある材料じゃ、サラダか?)

そんなことを考えながら、 は冷蔵庫から野菜などを取り出して朝食を作り始めた。

「はぁ・・・・・・ねみぃ」

は昨日眠れなかったようで、何度か欠伸をしながら野菜を切っていく。

(・・・・・・・っし、サラダ完成。 あとは・・・・・・・・)







 「・・・・・・マリクー」

『トントン』

ノックしてみたが返事はない。

「おーい、朝飯できたぞー」

・・・・・・・・やはり返事がない。

「・・・・・・開けるよ?」

はドアを開けてみた。

「・・・・・・・・寝てるし」


マリクはしっかりベッドに入って眠っていた。

(寝顔は可愛いのにな・・・・・・・・)

は溜息をついて、マリクの身体を揺する。

「起きろ、朝飯できたぞ」

「・・・・・・・・・・・・」

だがなかなか起きようとしない。

「ん、何たぬき寝入り? 違うよねそうじゃないよね寝てるんだったら起きてくださいよ」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

本気で寝ている。

「・・・・・・・おら、起きやがれこの野郎ォォォ!!!」


「・・・・・・・・・んっ・・・・・・」

マリクはようやく目を開いた。

「あ〜さ〜め〜し〜!」


「うるせえなぁ・・・・・・・・」


怠そうに起き上がるマリクを、 は何とか連れていった。






 「・・・・・・・どーだ?」

「・・・・・・悪くねえな」

「ふーん。 で・・・・・・・・・」

先に食べ終わった は自分の食器を片付けながら言った。

「お前、これからどうすんの?」

「・・・・・・・・・」

「別に行く当てないならここにいてもいいし、もといた場所を見つけて帰る方法を探してもいいし」

「フン、貴様が構わねえんだったら、ここにいてやってもいいぜえ?」

何だこの偉そうな態度は、と の顔に書いてある。

「はいはいそーですか。 それならそれでしなきゃいけないことがあるよな」

「・・・・・??」

「生活必需品、服とかね」

マリクの食器を下げ洗い終わると、 は溜息をついた。

(構わない・・・・そう構わないんだ・・・・・・・・・・だって、マリクは・・・・・・・・・)



















  はふと思いついて、本棚から1冊の漫画本を取り出した。

「えーっと・・・・・・・・」

それは、遊戯王の単行本。

「・・・・・・・・あれ?」

本来マリクが描かれているはずの場所に、 の知らない別のキャラクターが描かれていた。

(嘘だ・・・・・・・)

表マリクも闇マリクも、遊戯王の世界では最初からいなかったことになっているのだ。

代わりに、別のキャラクターになっている。

「・・・・・・・・本当に、」

ここにいるのは、マリク本人。

「どうしたあ?」

「え、いや、何でもない!」

は急いで漫画本をしまうと、近くにかけてある上着を羽織り、指無し手袋をした。

「早速、買いに行こうか」

「チッ・・・・・・面倒くせえ」

「面倒言うな」


まず、マリクの服装だ。

とりあえず元の服は洗い、今は家に置いてある父親の服を着せている(結構大きい)。

「・・・・・・・貴様」

「ん、何?(今かすかに噛んだ?)

「家族とかはいねえのか?」

「あー・・・・・・・・いるけどさ、両親は仕事で世界中飛び回ってるから、マリクが来るまでひとり暮らし」

「・・・・・・・・・・・」









 (・・・これか、理由は・・・・・・)


昨日、 が部屋を貸したときに、淋しそうにしていた理由。

「俺の部屋は、その両親の部屋だったってわけか」

「(今『しょの』って噛んだよな)ああ、でももう使わないよ・・・・・・帰ってきた時は、父さん母さんで同じ部屋使うし」

今は掃除だけしてるけどね、と は言った。

「だから、あの部屋はマリクが好きにしていいよ。 掃除なら私がやるし」

「・・・・・・・・・・・・」

「にしても、その服どうにかなんないかな・・・・・・あっ」

は急いで自分の部屋から何かを持ってきた。

「私の制服なんだけど・・・・・・ちょっと大きめだし、着れると思う」

それは男子の制服だった。

「とりあえず着替えといて、よかったら行くよ」

そう言った の表情は、いつも通り笑っていた。

「・・・・・どうして、だろう」

マリクが制服を持って自分の部屋へ行ってしまったあと、 はぽつりと呟いた。

「どうして・・・・マリクはこの世界に来て・・・・・・・・・記憶なくして・・・・・・・私の前にいるんだろ・・・・・?」
















 


 

 



  今起こっている現実は、夢じゃない



































































  

第2話です、マリクの性格と口調が掴めない・・・・・・
いや、一応闇マリクの出てる辺りからアニメの方は毎日見てるんですけど。
1人SMだ。 マジで1人SMだ。
でもヒロインはどちらかというとM寄りなのでマリクはSってことで。
私もマリクやバクラのせいで何かMに目覚めちゃったみたいです。 恐ろしい。
痛いのが気持ちいいってほど酷くないですけどねw
つか、普通自分の着ているものを男に着せたりしないと思います。