次の日、月曜日なので
は学校に行く。
「確認するよ、出かけるなら鍵かける! んでそこの袋に入れる! 分かった? あ、これ鍵」
「何度聞かされたと思ってんだァ?」
「ならいいけど、私もう学校行かないとだから。 あー昼飯はテーブルの上に置いてあるから適当にね、じゃ行ってきまーす!!」
そうして
は昨日マリクが着ていた制服姿で歩き出す。
マリクは
の姿が見えなくなるまで玄関の前に立ち、しばらくすると中に入っていった。
「あー、色々作ってたら少し遅くなっちゃったよ」
急ぐか、と
は走り出す。 バス停に着いたが、まだ来ていないようだ。
「・・・・・・・・・なーんか、とてつもなく嫌な予感がする」
自分の勘はこういう時だけ当たるので嫌だ。
だがあまり気にしないようにして、
はバスを降りるまでボーッとしながら過ごしていた。
そして、その予感は的中するのである・・・・・・・・・・・・
4.ある忘れ物
「おっはよー」
「
!!」
茶髪の女子が
のいる方へ走ってくる。
の友達の奈美子だ。
「どした? 奈美子」
「とりあえずおはよう! それより知ってる?」
は席に着いた後『何を?』と聞き返す。
「昨日ね、すごく格好いい外国の人見つけたんだ」
「外国人? 何、金髪蒼眼の美女?」
「確かにそれはそれで格好いいかもしれないけど、男の子だったよ!」
パッとマリクの名前が
の頭に浮かんだ。
「へ、へぇ・・・・・・」
「金髪蒼眼は合ってるかもしれないけどね」
「で、やっぱ色白?」
「かなり焼けてた」
は1つ溜息をつき、最後の質問をしようとした。
「でね、その人がウチの学校の制服着てたの!!」
「・・・・・・・・は?」
「この辺でブレザーなのウチくらいだもん、灰色のズボンだったし間違いないって!」
「そ・・・・・・・・そっかぁ・・・・・・・・あはは・・・・・・・・」
動揺しながらも頷く
。 それを奈美子は不審に思った。
「もしかして
も・・・・・・・知ってたの?」
「あ、いや、知らなかったよ?」
「ならいいけど・・・・・・・ところd「
さん!!」
教室の扉がものすごい勢いで開く。 隣のクラスの女子数人だった。
「昨日のあの人誰!?」
「いや、こっちが誰だか聞きたい!」
『あの人』だけでは分からず、
は聞き返してみる。
「とぼけないで! 昨日デパートの辺りで格好いい人と歩いてるの見たわよ!!」
「うんうん!」
クラス中の視線が
に集まる。 驚いている者がほとんどだ。
(・・・・・マリクのことか・・・・・・・・・・)
「ホントに私知らないって。 それに結構混んでたし、単に近くを歩いてただけだって」
「ふーん・・・・・」
女子達は自分のクラスに帰っていった。 それにしても視線が痛い。
昨日とは質が違う。 何というか、怪しげな。
とりあえず、一緒に話していたところなどは見られていないようだ。
(よかった・・・・・・・・・)
その頃。
「・・・・・・ん?」
マリクは自分の昼食の横に、綺麗に包んである弁当箱があるのを見つけた。
「何なんだ、これは」
朝のことを思い出してみる。
『あーもー忙しい・・・・・弁当は後で入れればいいや』
そう言って
はこれをテーブルの上に置いていた。
そしてそのまま学校に行ってしまったのだ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「おい」
「は、はい!?」
マリクは道を歩いている男の胸ぐらをつかんだ。
「
がどこにいるのか言いな」
「ど、どこの
さんですか」
「そこの家の
だ、知らねぇのかァ?」
空いている左手で
の家を指差す。 男はそれを見て『あぁ・・・・・』と呟いた。
「
は『がっこう』に行っているはずだ、案内してもらおうかァ?」
「ひっ・・・・・・・・」
男を突き放すと、マリクは『さっさと立て』と睨み付ける。
「えと、風山高校なら・・・・・・・」
男は歩き出す。 後ろからマリクが『早くしろ』と言っている。
(な・・・・・何でこんな目に・・・・)
余談だがこの男は
の近くに住む
のクラスメイトの兄だという(ややこしい
「つ、着きました」
「ほおう・・・・・・・・」
男はそそくさといなくなる。 丁度休み時間で、校庭にもたくさんの生徒がいる。
マリクが持っていたのと似たようなもの、すなわち弁当箱を持っている生徒もたくさんいた。
ずかずかと周囲の視線を気にすることなく入っていったマリクは、今度は丁度そこにいた男子生徒の胸ぐらをつかむ。
「
を連れてこい」
「なっ」
「じゃなきゃどうなるか・・・・・分かってンだろうなァ?」
男子生徒は首を何回も縦に振り、校舎へと急いだ。
「・・・・・・・人が多いな」
向けられるのは恐怖を帯びた視線ばかり。
マリクは校門で待つことにした。
その頃には授業が一旦終わり、休み時間になっていた。
生徒は皆購買部に行ったり、弁当を持ってどこかへ行ったりしている。
「あ・・・・・・・・」
「ん、
どうしたの?」
「早く行こうよ〜」
いつも一緒に弁当を食べている奈美子、それに千里が声をかけた。
「弁当・・・・・・・忘れた」
「えぇっ!? ・・・・・・珍しいね」
「ホント、中学の時から忘れたことなかったのに」
「今朝はバタバタしてたからなぁ・・・・・・・・はぁ」
は溜息をついて、目で『分けてください』コールを仕掛ける。
「分かったって・・・・・・じゃ、行こう」
その時。
「
!!」
「え?」
男子の1人が息を切らして入ってきた。
「こここ今度は一体何だよオイ!」
「校門のとこで・・・・・・・・」
「何かあったの? それよりあたし達これからお弁当食べに行くんだけど」
「べ、弁当箱持った外国人が・・・・・・・・」
「!?」
の表情が・・・・・・・・青ざめた。
「・・・・・・
?」
次の瞬間、そこに
はいなかった・・・・・・・・・・・
「こらそこ、廊下を走r・・・・・・・・って速ッ!!」
風紀委員が注意を言い終える前に、
は疾風の如く通りすぎていく。
(あんのマリク野郎ーーーーーーー!!! でも弁当はありがとう)
は靴を履き替えないでそのまま突っ走り、校門の前で立ち止まった。
「は、はぁ・・・・・・マリク」
「よぉ、忘れモンだぜぇ」
「ん・・・・・・・あっ」
周囲にいる全員が2人の方を見ている。
これでは朝何とかごまかした意味がない。
(ど・・・・・・・どうしよう・・・・・・・・・・?)
「
、速い・・・・・・・・・・・・って、あなたは昨日の!」
奈美子達が追ってきた。 最悪のタイミングだ。
気付けば窓の外なんかからも人が見ている。
「やっぱ知り合い・・・・・・」
「あ・・・・・・・・・う」
もうごまかしは効かない。
全校生徒のほとんど、そして一部の教師までもがこの光景を目撃しているのだから・・・・・・・・・・
「・・・・・・・・・・・あぁ! 朝ぶつかった人!!」
「・・・・・はぁ?」
「いやーわざわざお弁当届けてくれたんですね、ありがとうございます!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「じゃぁ私はこれで・・・・・・・・帰れ」
棒読みのあと小声でそうつけたし、
は弁当箱をバッとマリクの手から抜き取ると、急いで逆方向へ駆け出した。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・チッ」
マリクもくるりと向きを変え帰っていく。
を追ってきた奈美子、千里、男子だけがその場に取り残された。
たった1つのきっかけは、ある忘れ物
![]()
早く書かないと! と思ってたらもう十分な長さ書いてた;
ホントは、もう少しあとにマリクを学校に行かせるつもりだったんですが・・・・・・急展開の方がいいかなと思って(ぉぃ
それにしてもこの連載、タイトルがつけにくいな。