「んーっ、やっぱウチの屋上って気持ちいいーっ!」
「ー、そんなに乗り出すと危ないよ?」
「あ、へーきへーき」
昼休みだから、周りには弁当食べてる人もたくさんいる。
私もその中の1人で、今友達と昼食とってたところ。
「ホント気をつけてよね? 今日風強いんだし」
「だいじょーぶだって、風くらい」
「アンタ軽いんだからすぐ吹き飛ばされるって。 落ちても知らないからね?」
「あはは、んなわけないっしょ」
ま、風が強いのは事実だけど。 そんな簡単に吹っ飛ぶわけ・・・・・
1.小規模トリップ
『ビューッ』
「わわっ」
突然強い風が吹いた。 ヤバ、このままじゃ・・・・・・
『ふわり』
え、何・・・・この浮游感。
「
!!」
「え、あっ・・・・!?」
真下は・・・・・・・思いっ切りコンクリかよっ!!
・・・・・ヤバい・・・・死ぬ、かも・・・・・・・・
目前に迫る地面。 衝撃。
『ドンッ!』
「・・・・・・んー・・・・・・・・・」
あれ、私・・・・どうなったんだっけ。
えと、確か・・・・あ、屋上から落ちたんだ・・・・・
・・・これは、薬のにおい。 病室・・・なのかな・・・・
よかった、助かったんだ・・・でも、どこも痛くない。 あんなに衝撃感じたのに。
「うー・・・えっと・・・・・」
だるい身体を起こして、辺りを見回してみた。
病室・・・・でもなさそうだ。 保健室っぽい。
つか、保健室行きで済んだのか私。 奇跡だよ奇跡。
・・・・・・・でも、ここ・・・・・・ウチの保健室じゃないよね。
痛みもないし、ひょっとしてアレか。 漫画なんかでよくある『トリップ』ってやつか。
まだボーッとするけど、何とかベッドからおりて外を見た。
すると、外には千葉ナンバーの車が何台か。
「なーんだ、千葉か」
・・・・・・・って千葉ァァァ!!?
おかしい、おかしいよ! だって私京都にいたんだよね!?
何で千葉? 何で千葉にいんの?
あ、もしかして・・・・私はずっと眠ってて、その間に東京だかどっかの病院に運び込まれて、手術とか治療とか全部済んじゃって、そんでここに・・・・・・
って違うか。 だったらちゃんとした病室にいるハズだし、点滴とかマスクとかも全く見当たらないし、服装もそのままだし。
「うーん・・・・何故だ・・・・・」
考えれば考えるほど分からない。
『スタ・・・スタ・・・』
「やばっ」
誰か近づいてきた。 すかさずベッドに入る。
「ダビデ、マジかよ? 他校の生徒が中庭で寝てたって」
「マジ。 今保健室で寝かせてる」
・・・・・ひょっとして、私のこと?
そっと隣のベッドを見たけど誰もいない。
「何でまた保健室に?」
「あぁ、大分顔色が悪かったんで」
そうこうしてる間に部屋まで入ってきてしまった。 きっと色々聞かれるんだろうなぁ・・・・
さっさと潜っておこう・・・・・
「・・・・あれ、こんなに深く布団被って・・・・」
「・・・おかしい。 ちゃんと寝かせたはずなんだが」
「一度起きたんじゃないのか?」
し ま っ た ! !
「ま、寝てるんじゃしょうがねぇけど・・・起こすか?」
「でも、顔色が悪かったんでしょう? 無理に起こすのはちょっと」
「しようがねぇから待つことにしよう・・・・プッ」
・・・・・え?
「くす・・・・あはは・・・・・」
「つまんねーんだよダビ「ちょっと待って」
あ゙。
「今・・・笑ったよね?」
「あぁ、俺にも聞こえた」
「こいつ、起きて・・・・」
・・・・・・しようがないから起きることにしよう・・・・・あはは。
「っ・・・・」
「「「あ」」」
ほんの少し眩暈がしたけど、上半身だけ起こした。
「・・・・・・あの「おいダビデ、他校の生徒って・・・・女子だったのかよ!」
「あれ、言わなかったっけ」
「言ってないよ・・・あ、君、驚かせてごめんね」
「え、あ、いえ。 大丈夫・・・です」
その場にいたのは4人。
やたらワックス使ってそうな髪の人と、爽やかそうな人と、何か髪が横に伸びてる人と、丸坊主っぽい人。
ほとんど髪型のことしか説明できてないけど。
つか、背ぇ高っ! 高校生かな・・・・
「えと、あの・・・・・・ここは?」
「六角中の保健室だ。 そういうお前はどこの生徒だ?」
「ろ、六角中・・・(ってどこだ?)・・・中学校!?」
「あ、あぁ。 中学校だが・・・・」
え、じゃぁこの方々は中学生? いや、有り得ないっしょこれは。
「で、どこの学校の生徒なんだ?」
「えぇっ!? ・・・・えーっと・・・・・雛藤学園です・・・・京都の・・・・」
・・・・一応、有名だよね・・・・
「京都?」
「へー、そりゃはるばる・・・・って、何でその生徒がこんなとこで寝てんだよ!?」
「雛藤学園・・・というと、かなりの名門だね」
「あぁ、まぁ・・・・・でもテニスはそんなに強くないんだろ?」
テニス? 何故ここでテニス?
・・・・あ、もしかしてテニス部の人なのか?
確かに、ウチは運動部も結構色んな大会出てるけど、テニス部はあんまり人気なかったような。
「偵察・・・じゃなさそうだね。 わざわざここまで来るっていうのも・・・」
偵察って・・・・やっぱテニス部かな。
「京都からここまできょう遠く・・・・プッ」
「分かりにくいんだよダビデ!」
「ぐぉはっ」
「くすっ・・・・」
ヤバ、また笑っちゃった。
「・・・・笑った」
「・・・・笑いやがった、あれで」
「あ、えっ? 私何か変なこと・・・・」
「あぁいや、気にしなくていいよ。 それより、本当にどうしてここに?」
うぅ・・・・やっぱ話題逸らすなんて無茶だよ・・・・・・ね。
「・・・・・あっ! もしかして、転校生ですか!?」
「はい?」
「あー、なるほど。 それなら納得もいくな」
・・・・・ここは話を合わせておいた方がいいかも。 正直に言っても信じてもらえないだろうし。
「そうなんです。 父の仕事の都合で千葉に引っ越してきたんですけど、迷ってるうちに中庭まで・・・」
「迷う? ・・・・かなりの方向音痴だな」
「・・・・ごめんなさい」
方向音痴なのは確かだけれども。
「だが、どうせ入るなら私立じゃないのか? ここ普通の公立校だぜ?」
「え」
そんな・・・・言い訳が思いつかない・・・・
「・・・・あ、もしかしてテニスの強い学校がよかったのかい?」
「え・・・・あ、はい! そうですその通りです!」
「だがお前の場合、女子テニスだな」
「あ」
な、なんでこう次々に来るかな・・・・・・
国内でもトリップはトリップだと実感しました。

ちょいと長くなりましたが、テニプリです!
京都から千葉って、異世界でも何でもないじゃん。 と思ったそこのあなた。
とりあえず、別の世界です。 パラレルワールドです。 ヒロイン気付いてませんが。
ヒロインの通っていた雛藤学園ですが、もちろん実在しません。
どちらの世界にも存在してますが、そこにいる人間は全く違います。 ヒロインの世界に六角中とかはありません。
トリップって言ったらもっと壮大なのイメージしますが。 ごくごく普通の世界へトリップです。
つか、トリップにする意味なかったような気がするけど、『って千葉ァァァ!!?』がやりたかっただけ。 そんだけ。