「ところでお嬢様」
「はい?」
「あのさ、何で私だけ名前で呼ぶのかな? しかも『さん』付けで」
前々から気になってたんだよなぁ。
他の2人は名前呼ばないし。
「変でしたか? 私なりの礼儀のつもりだったんですが」
「・・・・・・・・・え?」
礼儀? 今礼儀つったよこのお嬢。
え、嘘、何で?
「年上には敬意を払うものだと、昔何かの本で読みました」
「・・・・・え、年下? 私、フツーに12歳ですけど」
「えっ!? 私はてっきり・・・・・・・」
「いやだって、背だって確かに私の方がちょーっと高いけど・・・」
何故? 何故年上?
「何だか雰囲気が大人びていて・・・とても同年代には」
「お、大人」
「はい」
・・・・・・・・そうか、老けて見えるのか、そんなに。
結構童顔だと思ってたのに。
「・・・・まぁ、年齢のことを抜かしても、あなたはそれなりに名のある家の出なのでしょう?」
「名のある?」
「はい。 この前あなたの持っているリボンを見ましたが、あれは相当なものです」
あー・・・・リゾートリボン一式。
リーグに関するリボンは全部別のところにしまっといたから見られてないけど。
分かる人には分かるのかー・・・・・・・
「あの3種類を、しかも6匹分。 あなたはそれを自分で買ったと言っていましたね」
あー・・・言ったか、そんなこと。
ゲームの方で買ったら何か出てきたんだよなー。
「・・・・あのね、確かにあれは自腹で買ったけど。 私は別にそんなお嬢様ーじゃないから」
「え?」
「私は全部バトルの賞金で道具とか買ったりしてんの。 だから、私の家は全く関係ない」
家、ないしね。
「あの・・・ちなみに1回のバトルでどのくらいなんでしょう」
「結構安いよ。 3万もしない、ほとんど1万台ってとこかな」
「そ・・・そんなちょっとだなんて・・・・・・・」
優勝したらたんまり賞金とかそういうのないからね。
「・・・・よっぽど勝ち続けてきたんですね」
「あぁ・・・・まぁ」
「・・・・・やはり、あなたは尊敬に値します」
いやそんな大袈裟な。
「バトルならパールとかの方がすごいから。 センスあるよ、あいつ」
「でも、あなたのアドバイスはとても的確で助かります」
「・・・・・・・・」
目が、キラキラしている。
「それで、名前で呼ぶのはダメですか?」
「いや、別にいいが・・・・」
「そうですか。 よかった」
お嬢様はソファから立ち上がった。 あの2人のとこ行くのかな。
「・・・・・・実は私、」
「?」
「・・・・・・私、ずっと・・・・・」
・・・・・なんだ、可愛いとこもあるんじゃん。
『私、ずっと同年代の女の子の友達がほしかったんですの』