「・・・何読んでるんだ?」
「どひゃぁ!? ・・・・ゆ、遊戯・・・・?」
・・・・・何今の。 『どひゃぁ』って何だよ、自分。
「・・・・・・エジプトの写真集?」
「あ、あぁ・・・その・・・・遊戯がいたところとはもう大分違ってるかもしれないけど、少しでも知っておこうと思ってさ」
「そうか・・・」
「もうすぐ、行くわけだし、さ」
そう・・・・もうすぐ私は遊戯達と一緒にエジプトへ旅立つ。
つまり、『別れ』も近い、ということ。
今『武藤遊戯』の身体で、この名も無きファラオは私の隣にいる。
「・・・・遊戯」
「ん?」
「あっちに行ったら、その、名前も思い出すよね。 そしたら、もう忘れないでよ?」
「・・・あぁ」
・・・違う。 私はこんなこと言いたかったんじゃない。
「・・・・・それと、」
「何だ?」
「・・・・・・私の名前も、忘れ、ないで・・・・・ッ!」
・・・あれ・・・私・・・・泣いてる・・・・・・・?
「う・・・ひくっ・・・・・・・」
「お・・・・おい・・・・・」
「・・・・ごめ・・・・ゆう、ぎ・・・ッ・・!!」
誰もいない図書館で、遊戯はそっと私の頭をなでてくれた。
「っ・・・・・・・・」
「 」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・好きだ・・・・お前のこともこの気持ちも、絶対に忘れないぜ、『 』」
・・・・・私は何て幸せなんだろう。
初めて好きになった人に、名前を呼んでもらえる幸せ。
・・・・名も無きファラオ、私もあなたの名前を呼んでもいいのかな?