「何故に俺はこんなところにいるんだ?」

マグナモンに声をかけられ、 は振り向いて問うた。

「何で俺はてめーらにこんなところに連れてこられなきゃいけねーんだ」

は納得のいかない様子だった。

「それから、ーっと、デュークモンだったっけか? お前さっき意味わからんこと言ってなかったか?」

「・・・お前ならあの言葉の意味など理解できるだろうと思ったのだが?」

「いや、そうじゃなくてな、んー・・・・・」

は考えていた。

何を言いたいのかは分かる。

しかし、その言葉の意味するものが分からなかったのだ。








第1章 3.The Start In Me








 「要するに、その後継者の何とかプログラムってのは俺ってことだろ? つーかここの生きモンって全部プログラムじゃねーのかよ」

「そうだ」

はますます意味が分からなくなった。

「・・・・・・・で、後継者ってどういうことだ?」

は溜息をついて言った。

「では簡潔に言おう、お前は人間界で生まれたのではない」

は目を大きく見開いた。

だが、そのあとすぐに、ニィと笑って

「あははははッ!!!」

と、大声を上げて笑い出した。

「おもしれーじゃん! ・・・・まさか俺、ここで生まれたっての?」

「その通りだ」

はニカッと笑ってロイヤルナイツを見た。

「抵抗はあるか?」

「ねぇ!! 最ッ高だ!!」


さっきまで機嫌が悪かったのに、今ではすっかり上機嫌である。

「で、後継者って具体的にどんなんだ!?」

瞳をキラキラさせながら はマグナモンを見上げた。

「・・・・・・話の続きをしろ、デュークモン」

「あぁ・・・・そして、お前は先ほど言ったとおり、我らが神イグドラシルが自らの後継者としておつくりになったものだ」

「イグドラシルって何だ? どうして俺はあっちの世界で育ったんだ?」

「・・・お前の質問に答えるよりも、全てを話した方が手っ取り早かろう」

デュークモンが座ったので、他のロイヤルナイツや も座った。

何故かロードナイトモンだけゴージャスなソファに座っている・・・・・

(デュークモン、『全て』というのは・・・どうだろうか?)

(そうだな・・・・『全て』を話すのは、時が来た時にするとしよう)

マグナモンと小声で話していたかと思うと、デュークモンは に向き直って話を続けた。

「そして、イグドラシルは決断を下した。 デジタルワールドと人間界、両方を公平に理解することのできる者を後継者にする、と」

「ふーん」

「そして、後継者である赤ん坊同然のお前を人間界に送った」

「!?」

さっきとは違い、『何故だ?』というような顔をしている。

「デジタルワールドだけで育っては、お前では偏った考えを持ってしまう。 だから、人間を理解する心も持ち合わせさせるためのことだ」

「・・・・・・・なるほど、でも俺は人間として育ったぜ? デジモンとかよくわかんねーや」

は、まだ分からなかった。

ここで生まれたということが、どんなことを意味するのか。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・待てよ、じゃぁ俺は何なんだ? 人間か?」

「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」

「何故そこで黙る」

デュークモンは暫くしてふぅ、と溜息をついた。

「決して後悔するな、よいな?」

「おう、なんでも来い」













 「お前は人間でもデジモンでもない」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え」

は、自分が人間ではないとしても、デジモンだとは思っていたのだ。

「イグドラシルはデジタルワールドの神、デジモンではない」

「へー」

「それ故その後継者であるお前もデジモンでもなく、人間でもない」

「じゃぁ何だ、俺は」

また が言葉を発した。

「人間でもデジモンでもねーなら俺は何なんだ」

「・・・では、お前のことを話そうか。 まずお前が何なのかを教えよう」

(デュークモン)

(分かっている、深く話しはしない)

マグナモンはデュークモンを制しようとしたが、デュークモンは少し笑って答えた。

「お前は10年以上前にイグドラシルの後継者としてつくられた、非常に人間に近いプログラムだ」

「プログラム、か」

「お前は人間に育てられたのだろう、そのプログラムすなわちお前は人間と同じように成長する」

「じゃぁ育て方が違ったら今の俺じゃなく違う俺だったってことか?」

「左様、そして来るべき時が来たとき、デジタルワールドに帰るようプログラミングされていた」

「・・・・・・・・・・・・・・それが、あのゲートか」

もいつの間にか真剣な顔になっていた。

「じゃ、俺と一緒に吸い込まれた奴等は」

「このデジタルワールドのどこかにいるだろう」

「関係ない奴まで巻き添えか」

「話の続きだ」

デュークモンは立ち上がった。

「お前がここに来たということは、時が来たということ。 よって、お前は後継者としての儀式を受ける」

「俺そーゆーの嫌い」

即答だった。

「お前が確認された時から、準備はできている。 来い」

「俺儀式とか嫌い、別にしなくてもいーじゃん」

「・・・・・・・・・ほら、行くぞ」

見かねたマグナモンが、 の手を取って歩き始めた。

「あ・・・・・・・・ちょ、」

「お前が嫌でも、後継者としての証を渡さなければいけないのでな」

「証?」

「出来れば使わないことを祈るのだが」

は興味を持った。












































 「着いたぞ」

「・・・・・キレーだな」

そしてその広い部屋の中心には、剣が刺さっていた。

「儀式といっても、あの剣を引き抜くだけだ。 簡単だろう?」

「え、それだけでいいのか??」

なーんだ、と は気の抜けた笑顔を見せた。

「よーし、じゃ早速「待て」

は振り返った。

「この儀式は、あいつがいないと始まらない」

「あいつって誰だ?」

「この儀式を取りしきる、ロイヤルナイツの1人」

マグナモンはチラッと後ろを見た。

「来たか・・・・・・・・・」

「!!」

が振り返った先には、見るからにとてつもない『強さ』を感じさせる青年がいた。

両腕が武器になっており、全体的に白い鎧を身に纏っている。

「・・・・・・オメガモン」

「ん?」

「いや・・・なんでもない」

何故、このデジモンの名前が分かったのだろうか。

は不思議に思った。

自分がここで生まれたというのは分かった。

だが、すぐに人間界に送られたはずなのに、このデジモンを知っていたというのか。

(・・・・・・深く考えたって仕方ねーか)

オメガモンは に歩み寄った。

「後継者、名は」

だ」

「では 、これから何をすればよいか分かっているのだろうな?」

「あぁ、あれ引っこ抜きゃぁいいんだろ?」

「言っておくが言葉で言うほど簡単なことではない」

は警戒していた。

オメガモンの目は、冷たかった。

「俺が後継者っつーなら、できるさ」

「フッ・・・そうだな」

オメガモンがフッと笑ったのを見て、 も不敵に微笑んだ。

「では、儀式を始める。 お前は部屋の中心に行き剣を抜く準備をしろ」

「あぁ、分かった」

はコツコツと足音を響かせながら部屋の中心へ向かった。

『・・・・・・・・・・・・・・娘よ』

中央へ着くと、いきなり誰かの声がした。

『警戒しなくともよい・・・』

そして、 の前に、イグドラシルが現れた。

「今の名は何と言う?」



は、何だか分からない感情になっていた。

「ロイヤルナイツも揃った・・・これから儀式を始める」

「よーし今度こそ早速「話を聞け」

イグドラシルにまで邪魔(?)をされ は少し落ち込んだ。

「うぅ・・・何なんだよ、どーせ俺はあれなんだろ、後継者だろ、証とかいるのかよ」

「この儀式は証を手にするだけではない」

「あ?」

すると、剣が光り出した。

「後継者となる以上、お前の中に眠る力を必要以上に抑えなければならないことはない、よってお前の力を一部解放しなければならない」

「・・・・・・・・」

はコクリと頷いた。

「少々痛い思いはするかもしれんが、いいか?」

「あぁ、もういいか?」

「あぁ」

は、深呼吸をすると剣に手をかけた。

「クッ・・・・・・・・」

バチバチと手に痛みが走る。

その痛みは全身へと広がった。

「くっそぉ・・・・・・さっさと抜けやがれ・・・・・・」


少しずつ刃を見せ始めた剣だが、あくまで少しずつであり、力だけでは抜けない。

「どうした、そんなものか」

「くっ・・・うるせぇ」

その時、 の身体に、何か熱いものが流れ込むような感覚がした。

それと同時に剣はするりと抜け、 は尻餅をついた。

「っつー・・・・」

「ほう、まさかこんなに早く終わるとは思わなかったな」

その剣は、美しい剣だった。

宝石の装飾がされており、そして切れ味もよさそうだ。

「その剣は『クロンデジゾイド』でできている」

「何それ」

「・・・・・・デジタルワールドで最も硬いと云われるものだ」

「・・・で、この剣をどうしろと」

は辺りを見回すが、鞘が見つからない。

「・・・・・・これを使え」

オメガモンが、剣の鞘を差し出した。

「サンキュ・・・お、ピッタリだ」

「それより、その剣を手にしたということは、どういうことか分かっているのか?」

「?」

「お前自身も後継者としての自覚を持たなければいけないだろう」

「へぇ」

まるで人事のような態度をとり、 は剣を眺め始めた。

「ま、いっか・・・・・・なんとなく俺も変わったような気がするし」

「分かるのか」

「あぁ」

は大人びた表情で笑った。

「分かるさ、それくらい・・・・・・これから新しい俺が始まるんだろ?」



























































  

第1章終わりました。。。
結構あれですね、書くのに時間かかりましたよ。
しかもよくわかんないし・・・・・・
ちなみに2章はいきなりから始まるので注意、準備が出来たらnextクリック。