はまた家に帰って、1週間ほどずっと家に閉じこもりデュエルの勉強をしていた。
デュエルはしない。
けれどカードの研究はしていた。
デュエルを始めたのも、全てはデュエルが好きだった黒城を探すためだった。
そして、黒い死神と呼ばれる彼の噂を聞いた。
町中探したが、いつも入れ違いになっていたのか、姿を見ることはできなかった。
そして、やっと今日見つけることが出来たのに、相手は自分を覚えていなかった。
その悔しさからか、はカードの研究に打ち込んだのである。
そして、やりもしないデュエルのデッキが完成した。
第2話 追いついて
1週間外に出ず、冷蔵庫の中の食べ物だけで済ませていたは、翌日買い出しに出かけた。
「かーのじょ、おれと遊ばない?」
ナンパなんて日常茶飯事。
(気にしない気にしない)
「なー・・返事しろっての!」
「うっせーんだよ!!!」
は男をにらみつけ買物袋をさげながらその場から離れた。
「・・・凶死郎」
「よぉ」
(まずい・・また泣きそうだ)
「聞いてみろよ、おれはデュエルの神殿に行って白凰を切り刻んでやるんだ!」
「・・・ふーん」
「・・お前も来い」
「は?」
まさかこんな言葉が返ってくるとは思わなかったのか、は呆気に取られている。
「・・何で?」
「バカか、おれがお前を忘れるわけねーだろ」
「・・『誰だ、お前』なんて言ったのは誰だっけ」
は黒城から目をそらした。
「はぁ・・・誰だって名前聞くまで分からないだろ」
「?」
「お前、随分変わったな」
「・・・お前も」
黒城は笑って話し出した。
「おれは白凰を倒しに行く、お前も来い」
「嫌だっつったらどうする?」
「嫌だとは言わせない」
別に自分は決闘者でもないし、関係ないかとは頷いた。
「デッキはできてる」
満足そうに笑っている黒城を見ながら、はため息をつく。
(どうして・・・こんなに変わったんだろう)
『炎の決闘場に決闘者侵入!! 決闘の準備をしてください!!』
そして、ここはファイヤーコロッセオ。
「・・・・すでに来ていたか・・・、切札勝舞」
(・・勘違いしてんの・・・・?)
愛善がマッチを投げると、辺りは火の海になった。
「あつ・・・」
デュエルが始まった。
『ドガァァン!!!』
爆音。
「弱ぇ・・・・これが四天衆かよ・・・・・・」
(凶死郎・・・・・・・)
自分は見ているだけなのか、とは唇を噛みしめた。
「『地震』超動!!」
(あ・・ワナにかかった・・・・・)
「『黄昏の呼び声』!!!」
「見たくない・・・」
決闘の決着がつき、は両手で顔を覆った。
「真さま、真さま〜〜〜!!」
白い騎士団の決闘者の声。
「あいつが・・・・、黒い死神・・・・・・」
今度は、は耳をふさいだ。
「決闘者をなぶりたおすことを至福とする・・・、われら決闘者の敵ではないか!!」
「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ・・・・・」
聞きたくない。
連呼した。
「その、白凰さまが来てるぜ」
が顔を上げると、白凰がいた。
「消えろ・・・、愛善」
「ヒドイ・・・」
「黒城くん、仲間になろう・・それと」
白凰はを見た。
「くん・・だったかな? 君も来るといい」
「・・・・・・・・・」
は愛善の方を見て、返事をしなかった。
勝舞が愛善を助けたのも見た。
「もう、ぼくには君より強い、新しい仲間が出来た・・行こう、2人とも」
「、行くぞ」
は扉が閉まろうとしているのに、歩こうとしなかった。
「行くぞっ!」
は無理やり腕を引っ張られて、扉の奥へ引きずり込まれていった。
「さよなら・・・、切札勝舞くん・・・・・・」
「え・・」
「ひゃはははは!!」
黒城の笑い声が響く。
「見たかよ、あいつの顔・・信じられねーって顔してたぜ」
の頭に、勝舞の顔が浮かんだ。
「白凰おまえ、なにも感じねーのかよ」
「・・・ぜんぜん・・・それより、ごらんよ」
向こうには、美しい階段があった。
「ここがわが決闘場へ続く・・・『栄光への階段』だ」
「「すげぇ・・・」」
2人の声が重なった。
達が階段をのぼろうとしたとき。
「出てこい、黒城!! ついでにてめーもたおしてやる!!」
勝舞の声だ。
黒城は行ってしまった。
「胸騒ぎがする・・・・・・・」
は気になって、黒城の後を追った。

甘くないです・・・