「勝舞が決闘するぞ?」
「言われなくても分かっている」
「・・ま、どーせ勝舞が勝つんだろうけど・・・あいつは1回戦で負けるような奴じゃねーし」
はデッキを見直しながらテレビに目を向けた。
「すごい速攻だな」
「・・・・・・・」
「私も・・昔は速さばかり追い求めてたんだけどさ」
第6話 DMバトルアリーナ その2
「お、進化カードか」
「・・・・・・・・・」
黒城は無言のままだ。
「さーて・・・私は寝るからよろしく」
は椅子に座ったままテーブルにもたれかかり、眠ってしまった。
(・・・無防備な奴だ)
寝息を立てて眠るについ見とれてしまい、思わず顔をそむける黒城。
テレビを見れば、勝舞の手札が0になったところだった。
本当に見なくてもいいのだろうかと黒城はもう一度を見た。
手に持たれていたカードは、火文明と光文明、闇文明。
「・・・フレミ・・・ジェット・・・ドラゴン・・・・・・・・しょーかん・・・・・・・・・・むにゃ・・・・・・・・・・・・・・・・」
夢の中でも決闘をしているらしい。
起こすのはもう少し後にしよう、黒城はそう思って勝舞とカブト丸の決闘に目を向けた。
カブト丸の逆転か。
いや、勝舞はの言ったとおり、こんなところで負けるほどやわではなかった・・・
「ん〜・・・?」
「、起きろ」
が目をこすりながらテレビを見ると、0枚だった手札が6枚になっている。
「覚えとけ、カブト丸・・これが・・・大逆転ってやつだ!」
そして勝者は、切札勝舞となった・・・・・・
「とどめだーーっ!!」
歓声がわき上がり、はフッと微笑む。
「ふぅ・・次、白凰と・・・・・誰だあいつ」
は顔を顰めた。
「これだったらさっきの薫って奴の方がまだ・・・」
続きを言うとまたうるさくなりそうだからやめた。
名前も顔も品がないと言うか、趣味が悪いと言うか・・・・
「あー・・確かメカに乗ってた奴だな」
控え室で見ていようか、観客席で生でみようかは迷っていた。
しかしはっきりいって、あの牛次郎を生で見るのはちょっと辛い。
「あれ、えっと・・・・さん?」
「勝舞か・・でいいぞ?」
「あぁ、それよりこれから白凰の決闘が始まるぜ!」
勝舞はワクワクしながら白凰のいる方を見た。
「・・楽しみか?」
「もちろん! あ、おれ、これから観客席に戻るから!!」
は通路で勝舞を見送ってから、3回戦が繰り上がってすぐに始まるという話を聞いた。
「・・・・観客席で勝舞達と一緒に見てようかなぁ」
黒城の決闘は始めから観客席で観ると決めていた。
でもどうせなら、知り合いと一緒に観た方がいいかもしれないと思い、は観客席で勝舞達を探した。
「いたいた・・あれ、NACまで?」
「あ、さん! 近くに座って一緒に観ませんか?」
「・・そのつもりで来たんだよね」
れく太は目を輝かせ、はNACの隣に座った。
「それにしても・・遅くねーか?」
がそう呟いた瞬間、ミミが現れた・・のだが。
「ぶっ!?」
天使のコスチュームに身を包み、キラキラと輝いているミミだった・・
「ん? あれ・・薫・・??」
恐らくテレビを見て駆けつけたのだろう。
(私のことは頼むから忘れろよ・・・)
苦笑いしながらは黒城を見た。
ミミはハイテンション、黒城はすごい迫力でミミを睨んでいる。
(そりゃそうだよなぁ・・・・)
そして決闘が始まった。
「ったく・・・そろそろ本気出せよな・・・・・・・」
ワナに飛び込むなんて黒城らしいと言えば黒城らしい。
「シールド3枚・・まだまだ行けるな」
「すごいね、ミミちゃん・・ホントに勝っちゃいそうだよ」
れく太が勝舞に話しかけるが、勝舞は黒城の切り札がまだ出ていないと真剣な表情をする。
「分かってるじゃん勝舞・・あいつの切り札はすごいぞ?」
そして、バトルゾーンには黒城の切り札・・・・
「あれが魔刻の騎士・・」
「「オルゲイトだ!!」」
2人の声が重なった。
「な・・・バカな!!」
「なぜあのカードを黒城くんが!?」
Dr.ルートとNACは驚いている。
が決闘を見ていた、その時。
『ドゴォォォン!!!!!』
黄昏地獄拳。
「最後に笑うのはこの・・・、黄昏ミミなのよ」
そうこうしている間に、ミミのシールドは0枚。
シールドのカードにさえも、切り札は来ていない。
そしてミミが山札に手をかけた、その時。
「ミミの手が・・光ったーーーー!!!」
「なかなかやるじゃん・・・でも、」
は騒ぎにまぎれてそっと観客席を離れた。
(この先は、見なくても分かってる)
バロムが出れば黒城は勝てるから。
そして、黒城もこんなところで負けるような決闘者ではないから。
もちろん、ミミだってそうだった。
でも、には、黒城が勝つと分かっていた。
そして、黒城は勝った。
黒城は、ミミに生きるチャンスを与えたのだった。
「明日でホントに終わるのかよ、この大会・・・・・・」
は嫌な予感がした。
試合数が多いということもあるが、今日以上にレベルの高い、長引く決闘があるかもしれない。
それ以前に、無事に終わるかも分からない。
「・・・」
「凶死郎?」
夕食を食べ終わり、部屋で一休みしていたところに、黒城が入ってきた。
「なんか用?」
「まだ・・きちんと決着つけてなかったからよ」
「・・・・・・何の?」
「オルゲイトをお前に見せた後のことだ」
その瞬間、は顔を真っ赤にした。
そして、すぐさま部屋を出ようと走り出したのだが。
『ガシッ』
「んっ・・・・」
「・・逃がさねぇ」
この時、黒城に芽生えていたのは、明らかに『恋』という感情だったのかもしれない。
でも、が黒城を好きなのとは違い、黒城はを独占したいという気持ちに近かった。
「お前はおれのモンだ、誰にも渡さねぇ」
「ちょ・・・・・」
迫力がすごい。
「おまえ、おれが好きなんだろ」
「・・・・・うん」
「だったら、おれに逆らうんじゃねぇぞ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・で」
はまだ顔を赤くして俯きながら言った。
「凶死郎は・・・私のこと・・・・・・・・・・・・」
「好きかどうかは分かんねぇが・・・」
は一瞬泣きそうになった。
惨めだった。
「欲望を満たしてぇことは確かだな」
黒城は、を乱暴に抱き締めた。
締め上げているかのように。
抱き殺すかのように。
「くる、し・・・・」
が小さく呻くと、黒城はもっと腕に力を入れる。
右手はの頭に、左手は背中に。
そしてしばらくの時間が過ぎ、やっとは解放された。
「・・今日はこのくらいにしといてやる」
部屋を出た黒城の顔も、ほんのり赤くなっていた。
「・・早く寝ろ」
「・・・え?」
黒城はもう部屋にいなかった。
1人取り残されたは言われたとおりすぐ眠りに就こうとしたが外が騒がしくて眠れなかったという・・・
海の広場で何が起こっているかも知らずに。

やっと強引に甘くなってきた・・・・・・・・