「そーいや来週はクリスマスイブだなぁ」

がポツリと呟いた。

「クリスマス?」

「死神には関係ないない」

はそう言って立ち上がった。

「私、ちょっと出かけてくるから留守番よろしく、つーか誰か来ても電話来ても出ないでいいよ」

「おい、待て・・・」

黒城は1人取り残されてしまった。

はカギをかけていったが、自分が中から開けて家を出るわけにもいかない。

黒城は溜息をつき、 の帰りを待つことにした。








星空のクリスマス








 「ただいまー」

「・・遅かったな」

「あ? やっぱこの時期店は混んでるみたいでさぁ」

「店? 何を買ってきたんだ?」

は一瞬無言になったが、こう答えた。

「・・・・・・・・晩ご飯のおかずだ、お前も食べてくか?」

「あぁ」

黒城は不審にも思わず、頷いた。





「はぁ・・・・」

「どうしたんだ?」

は夕食をとりながら溜息をついた。

「いや、なんでもない」

「・・・・・・・・・・・」

黒城は少し気になったが、 が優しく微笑んだので思わず目をそらし、そのまま夕食を食べ続けた。





































 6日後。

「あれ、 じゃねぇか?」

「あ・・勝舞?」

買い物客で賑わう街で、 は勝舞と会った。

「パーティーの買い出しでもしてんのか?」

「ま、そんなもんだな・・ は?」

「私? 私は・・・家に飾れるような綺麗なものでもないかなーって」

「そっか、じゃ、オレ買い出しあるから!」

勝舞は走っていった。

「パーティーか・・・・」

!!!」

は突然後ろから呼ばれたので、ビックリして振り返ると。

「み、明兎!?」

「ひっさしぶりー♪ 元気だった?」

の親友、秋野明兎。

決闘は初心者だが、 とは結構仲がいい。

「ねぇねぇ、明後日空いてる?」

「・・・空いてると言えば空いてるかな」

「じゃ、よかったら合コンしない?」

「・・・・・・・はぁ?」

の顔が引きつった。

「でね、その前にうちがやってる店の手伝いしてほしいの! あたしだけじゃどうにもなんなくて・・・」

「いや、その・・・」

「相手全員決闘してるから、気が合うよ、きっと!」

「だから・・・」

「え?  もしかして彼氏いるの?」

は顔を赤くして俯いた。

「明兎、ちが・・・」

赤くなるとカワイイよねーv いいよ、合コンは・・でも、店の手伝いはいいよね?」

「あ、あぁ、それなら大丈夫だ・・」

正反対なところに、2人は引かれ会ったのかもしれない。

元気で明るく可愛い明兎。

クールで格好よく綺麗な


『あ、あの2人いけてね?』

『マジだ、超いけてる』

街行く男たちの話し声。


「で、どんな人なの?」

「・・・・・・・・・・」

「あ、もしかして初恋の人? 再会できたの?」

「・・・・当たり」

明兎には、『昔よく遊んでいたが相手が引っ越してしまい会えなくなった』と説明している。

「あ、もしかしてプレゼント買いに来たとか?」

「うっ」

「分かりやすいねーホント!」

明兎はいつの間にか の手をとりながら店へ入っていった。

「一緒に選んであげる!」

「え、でも迷惑じゃねーか?」

「いいの」




そして、やっと選んだプレゼントが、これだ。

「・・・・・シルバーの指輪?」

「お揃いって・・・ちょっと早くない?」

「・・・お前が選んだんだろ」

「てへへ」

翼をモチーフにした、シルバーの指輪。

「これは の分だよ」

「へ?」

「彼の分はこっち!」

明兎が持ってきたのは、左右逆のカタチをしたさっきの指輪。

「へぇ・・・・・」

「ね、いいでしょ?」

「うん、ありがと」

は明兎に笑いかけた。

「でも悔しいなぁ、 はあたしの彼氏だったのに」

「は?」

「だってピッタリなんだもん」

はまた顔を引きつらせた。

「とにかくプレゼントはこれで・・・イブはデートするんでしょ?」

「無理」

「なんでよー」

「・・・・いろいろな事情があって、外に出るのは無理」

(いやどう考えても、あいつと外に出るのは気まずいだろ)

明兎が『せっかく勝負服選んであげようと思ったのに・・』とこぼすと、『何だよそれ』と が突っ込む。

「あ、自宅デート?」

「いや、デートとかそーゆーのじゃなくて」

「じゃ、当日頑張ってねv」

「・・・おーい」

明兎と別れると、 は自分の家に帰っていった。















































 そして、クリスマス・イブ。

「凶死郎、えーっと・・・・・一応メリークリスマス?」

「あ?」

スベった、のかもしれない。

「・・・・・はい、これ」

が差し出したのは、先ほどのシルバーの指輪。

「・・・・・・・・・・・」

「やる」

無愛想だったが、ほんのり頬が赤くなっていた。

一方、黒城はというと。

(やべぇ・・何も用意してねぇ・・・・)



は夕飯を皿に盛りつけていく。



「ん、なんだ?」

「ちょっと来い」

黒城に呼ばれたので、 は隣に座った。

「なぁ、どうしたんだ?」

の澄んだ声が、静かな部屋に響いた。

「・・・・!!」

黒城は を抱き寄せた。

「受け取れ」

「・・・・・・・うん」

黒城は、 に優しくキスをした。















 








 「なぁ凶死郎、ベランダに出ないか?」

「ベランダだと?」

「星を・・・見てみたい」

黒城は、 の家のベランダがどこにあるかは知っている。

でも、実際に行くのは初めてだった。

「・・・え、ちょ・・・!!!」

黒城は を横抱きにして、ベランダまで運んだ。




ベランダで下ろしてもらった は、黒城の隣に立った。

「・・・・やっぱり、晴れてると綺麗だな」

の家は都会の電気の光からは遠いところにある、閑静な高級住宅地。

だから、夜景も星空もよく見える。

「・・・・

「?」

「星が・・・・こんなに綺麗だとは思わなかった」

「だろ?」

は空を見上げながら、何か考えごとをしているようだった。

黒城はそっと の肩を抱き、一緒に星空を見上げた。

「・・・らしくねーな」

「何がだ?」

「お前が星なんか見上げて笑ってるのがだよ」

はニッと笑って、そのまま星を見た。





「「・・・!」」

流れ星。

「ずっと一緒にいられますように、ずっと一緒にいられますように、ずっと一緒にいられますように・・・」

「その歳で願い事か?」

「・・いーじゃん別に」

は不機嫌そうな顔をしたが、すぐにまた、星空を見上げた。

「・・・・・・眠くなってきた」

「寝ればいいだろう」

「あぁ・・・ふぁ〜ぁ・・・・・・・・・・・・・・zzZ」

「・・・・こんなところで寝るんじゃねー」

だが、 は既に、ベランダの柵と自分の身体にもたれかかり、眠りに就いていた。

「・・・世話の妬ける奴だ」

黒城は を抱き抱えて、 をベッドに寝かせた。





さすがに の部屋に靴下はなかったが、その日は世界中の子供たちにプレゼントは届かなかった。












































 次の日、明兎との約束の時間。

明兎は『春風妖精ポップル』のコスプレ衣装を着ていた。

ー! 朝早くからゴメンね、早速だけどこれに着替えてきて!」

渡されたのは、『魅了妖精チャミリア』のコスプレ衣装。

「・・・・これ?」

「やっぱ冬だからスノーフェアリーでしょ、ホントはカチュアとかも迷ったんだけど・・でも『魅了妖精』だし絶対似合うって! ってか 何着ても似合うからきっと大丈夫! スタイル抜群だからどんなに露出してても大丈夫だし、可愛い格好だって逆に萌えるし、顔が格好いいから男物だって・・」

「おい」

まぁ引き受けたんだし、と はその衣装に着替えてきた。

「でね、接客やってほしいの」

「接客だぁ?」

「そ、普通に『いらっしゃいませー』とかそんな感じ。 じゃあたしは仕事あるからよろしく♪」

明兎がさっさと行ってしまったので、 は仕方なく開店時間を待った。

開店前から、店の前にはお客が並んでいた。



















 
 「・・・開店でーす」

テンション低めに、 はドアを開けた。

それと同時に、ドッと客が入ってくる。

「・・・いらっしゃいませ」

入ってきた男性客が を見て赤面した。

(恥ずかしいのはこっちだ、こんな服・・・)

どうやらこの衣装は明兎が作ったらしく、本来露出していないはずのところまで肌が見えている。

とくに、開いていないはずの胸の部分が大きく開いている。

「・・・・またのお越しをお待ちしております」

微笑みもせずに、無愛想に接客している

だが、客足は増える一方で、いつの間にか男性客ばかりになっていた。

「おいここの店、イケてる娘が2人もいるらしいぜ!」

「マジ!?」

このようにしてどんどん客が増えていくのである。























 「・・終わったー」

「ゴメンね〜」

「あぁ、いいんだ、別に」

の指には、一昨日買った指輪がはめられていた。



「お疲れさま、じゃ、彼氏と頑張ってねv」

「・・・だから、ちが「じゃね〜ww」

明兎に送ってもらった は、1人取り残されて一瞬固まったのだが、気を取り直して家に入ることにした。

「ふぅ・・・・・・・・・」

「おい、どこ行ってたんだ」

リビングに入ると、黒城が待っていた。

「・・いつも思うんだけど何で私の家にいるわけ?」

「・・・・合鍵渡したのはお前だろ」

「そうだけど・・・あれはお前に無理やり・・・・・・・」

「で、何してたんだ」

黒城は不機嫌そうに尋ねた。

「あぁ、ちょっと友達の手伝いしてたんだ」

「・・・・・・・・・・」

黒城は何も言わずD・Mカードをいじっていた。




「・・凶死郎、お前は何してたんだ?」

「・・お前を待っていたんだ」

「そっか、悪かったな」

「・・・悪いと思ってんだったら」





黒城は の顎を持ち上げ、その唇にキスをした。






























































やたら長くなったクリスマス夢。 クリスマスにupなんて気長に待ってられない。 そして偽物黒城・・・