(行動なんて・・・どうすりゃいいっつーの・・・・・・)
「ほら、早くしろよ、おい」
その瞬間、
の頭に、思い出したくなかったある出来事が過った。
「・・・・・どうした?」
無表情で俯いて震えている
は、自分が何か変なことを言ったかと少し心配になる。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・??」
「私は・・・・・・・・・・・・・・・・」
「え・・・?」
範人は
に声をかけるが、聞こえないのか言葉を続ける。
「違う・・・・・ッ」
4.苦痛再襲
――早くしろ、か。
昔、そんなことを言われたような気がする。
つーか、そんなこと何回も言われてるとは思う。
でも、あの時も今みたいに確かに何か迫られてた――
「ほら、早くやってみろよ!!」
「・・・・・・・・・・・・・」
「ほら、この家壊してみろよ!!」
何人かの男の子に囲まれているのは、幼き日の
。
泣きながら『できない』と言い続けていた。
「私は、そんなことできないもん!」
「嘘つくなよ〜」
「そうだろ? お前ンち壊したのはお前だろ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・ちが、」
は否定しようとしたが、言葉が途切れた。
違わない。
確かに、あの日
の家で騒ぎを起こしたのは
自身。
けれど、認めたくなかったのだ。
「早くしろよ、この化け物!!!」
1人の男の子が、
に向かって怒鳴った。
「違うッ!!」
は、今までで1番大きな声を発した。
「私は・・・・・・そんなんじゃないの・・・・・・・・私は・・・・・・そんなんじゃない・・・・・・・・・・ッ」
「・・・・じゃぁ、何なんだ?」
「そーだそーだ、お前は何だ?」
は答えられなかった。
「あ、もしかしてユーレイとか!」
「あーそれいい、こいつ肌白いし痩せてるし声小さいし元気ないし」
「・・・・・・・・・・やめてっ!!!」
その瞬間、
の髪が黒く染まった。
目はギュッとつぶっていたが、
の周り、いじめっ子との間に氷柱が立った。
誰も怪我はしていなかった。
「やっぱこいつ化け物だ・・・・・・逃げろーーー!!!」
「「「わーーーーー!!!」」」
いじめっ子達は散っていく。
はただ1人、取り残された。
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
いつの間にか
は泣いていた。
「
?」
「範人・・・・・・・・・」
は範人の方に歩み寄った。
「俺は・・・・・・・・化け物なのか?」
「なんだよいきなり・・・・・・そんなわけ、ねーだろ」
「けど・・・・・・俺は・・・・・・・・・・半分ガウストなんだ・・・・・・・・・」
「・・・オレのせいだろ?」
範人が俯いて呟いた。
「お前が泣いたのは、オレのせいだろ?」
「違う・・・・俺が勝手に思い出したのがいけねーんだ」
涙を手で拭いながら、
は言った。
「もう・・・思い出したくなかったのにな」
弱々しく微笑む
を見て、範人は真剣な顔になった。
「あ、悪ぃ・・・・・・ーーっと、何の話だった・・・んだっけ?」
涙が止まったようで、
は笑って言った。
「「・・・・・・・・・・・・」」
沈黙が続く。
(ん? まさか俺・・・墓穴掘った?)
頬をかきながら
は『あちゃー』と心の中で呟きながらそっとその場を後にしようとした、が。
『ガシッ』
「チッ」
「てめー今の『チッ』て何だよ」
案の定逃げることは出来なかった。
「離せ」
「嫌だ」
「離せ〜」
「嫌だ」
は範人の手を振り払おうとしても、範人はがっしりと
の腕を掴んでいる。
「んなこと言ったって行動で示せなんて無茶苦茶だっ」
「不可能じゃねーだろ」
「う〜」
この体勢が続いて数分後。
「・・・・なぁー、血が止まりそうなんだけど」
「だったらはや・・・・・・じゃなくて言うこと聞けよ」
「ぶん殴るぞコラ」
「だったら示せ。 さぁ示せ」
(悪魔だ・・・・)
は掴まれた腕が痛くなってきた。
「だったらさぁ、せめて掴む場所変えてくれよ(そのスキに逃げてやる)」
「お前絶対逃げるだろ(バレバレだっつーの)」
「何故分かる」
そして必死の攻防(違)は続く・・・・
「いい加減にしろよ」
「嫌だ」
「それまで離さないぜ、さぁやれ」
「嫌だったら嫌だ!!」
が力いっぱい叫ぶと、範人は無言で俯いたままになった。
「は・・・・範人・・・・・・・・・・・・?」
確かこの状態で何かいいことが起こった例はない。
「・・・・・・・・・ああ、なるほど・・・・・・・・・・・・・・・・」
「?」
範人がぼそっと呟いたので、
は一歩後ずさりする。
範人は素早く
の顎を持ち上げ、唇を塞いだ。
一瞬の出来事だった。
「ふぅ!?」
唇が離れると、
はへたへたと座り込んだ。
「お前、待ってたんだろ?」
「ちが、断じてちが・・・・・・・・・・・・・
あぁっすいませんマジで許せホントに大好きだから・・・・・っ」
今度は自分の服に手がかかりそうになったので
は顔を引きつらせて焦った。
先ほどの恥ずかしさがまだ収まらない。
「・・・・・・家、送ってく」
「いいよ、別に」
「ま、どうせ道は一緒だろ?」
「そうだけどさ」
は範人の後ろについて歩いた。
は顔を赤くしてボーッとしている。
注意力や緊張感の欠片もない。
その時。
『バシャッ』
車が通り、水たまりがはねて2人は水をかぶってしまった。
「・・・・・・・・・あーあ・・・・・・・・っくしゅ」
「大丈夫か?」
「ったく、俺ン家の前でかけられるとは思わなかった・・・・・・・・範人、お前ちょっと家でシャワーでも浴びていけ、1人でな!」
「・・・・あぁ」
2人は
の家に入った。
「ただいまー」
「お帰りなさい・・・・まぁ、どうしたの?」
「そこで水かけられたんです」
「あら、それなら早く着替えないと・・・・・・」
「あ、俺は後でいいです。 こいつの方がヒドいから先に」
は範人の後ろにいたので、そんなに水はかからなかった。
「ほら、さっさとしないと風邪ひくぞ」
は笑って、範人を押した。
まるで、遠ざけるかのように。
「はぁ・・・・・・・・」
範人に触れたら、またさっきのことを思い出してしまった。
忘れられない、唇の感触。
思い出すだけで赤面してしまう。
「あー・・・・・・・・さっき結局言っちまったな・・・・・・・好きだって」
その時、ノックの音がしたので、
はドアを開けた。
「あぁ、
ちゃん、範人くんあがったみたいだから、シャワー浴びてらっしゃい」
「はーい」
途中で範人とすれ違った。
しかし、
は目も合わせられず、そのままバスルームへ歩いていった。
これ、書き始めたのいつだよって話。
なんかトレガウの漫画がなくなった。 勝手に変なところへ片付けやがったなあいつ・・・・・・・(怒
ちなみに次の話は
Bです。