次の日。
は学校を休んだ。
『急に倒れたと思ったら顔を真っ赤にして何だか熱っぽいので学校を休ませた』と真智子は言っていたが・・・・・・
本当のところは、
にしか分からない。
一方、当の
はというと。
「う〜・・・・・」
1人で顔を赤くして、ベッドでうつ伏せになってクッションに顔を埋めていた。
つまりは、
は風邪なんぞひいていないのである。
は唸りながらベッドの上を転がった。
(あーもー全ての元凶! 原因! それは・・・・・あいつだァァァッ!!!)
5.仮病上等
本人はそのつもりでないのに、いつの間にか仮病になっていたのである。
「はぁ・・・・・・・・・・」
は溜息をついて、ベッドから起き上がった。
長い間寝転がっていたので頭がクラクラする。
(何で倒れたりしたんだろ・・・・)
にとって、あれは初めてのことではなかった。
(いや、まだ1回目の方が恥ずかしいはず・・・・・・・
って何考えてんだ俺!)
の頭に浮かぶのは、自分の大切な人の顔。
今はもう変わってしまった・・・・・・・
が出会ってすぐ・・・・・・・
(・・・・・・・もう一度、)
会いに行きたい。
けれど、どこにいるのか把握できない。
「あいつが言ってたこと・・・・・・ホントだったんだな・・・・・・・・・・・・・・」
は時計を見た。
そろそろ学校が終わる時間だ。
「何か・・・・・・・・・早く会いたい・・・・・・じゃないと・・・・・もう2度と会えないような気がする・・・・・・・・・・」
本当の彼は
を大切にしてくれた。
一緒にいた長い時間の中で、それはほんの一部にすぎなかったけれど。
「はぁ・・・・・・・・・・・・」
「なーに溜息ついてんだよ」
「死ねよお前」
「ひでーな」
いつの間にか
の部屋に入ってきた範人が、仰向けになっている
の顔を覗き込んだ。
「いくらなんでも早過ぎじゃねーの? 学校は?」
「あ? 誰のために来てやったと思ってるんだ? 早退までさせやがって・・・・・・・・」
「へぇ、早退。 理由は?」
・・・・・・・・・これはあれか、天然なのか。
「一応ここ俺の部屋。 全然女らしさがなくても俺の部屋。 つまり、俺がいくら女らしくなくとも女の部屋。 つーわけで帰れいやむしろ還れ(土に」
「そーゆーわけにはいかねーんだよなァ?」
「・・・・・・・・・・いい加減にしろ」
「オレが好きなんじゃなかったのか?」
「
(うっ;)悪いが1人にさせてくれ」
は本当に1人になりたかった。
無意識の独り言を誰かに聞かれたくなかったのもあるが。
「で、『あいつ』って誰だ?」
「へ?」
「お前の会いたいヤツって誰なんだ?」
「・・・・・・・・聞いてたのか?」
はだるそうにベッドから起き上がった。
ずっと寝ていたので、髪はしばられていない。
「・・・・・・俺が親と離れてた時、俺を拾ってくれたヤツ」
「だから、誰だそいつ」
(何だ範人、いつもより怖い)
は少し引き気味だったが、範人はどんどん迫ってくる。
の背中が壁にぶつかった。
「っつー・・・・・・・・・だから、うん。 親代わりみたいなモンだよ(親なんて言葉は1番ありえねーけど!)」
「へぇ・・・・・・・」
は目をそらした。
範人はそれを見逃さない。
「そんなにそいつが大切か?」
「あぁ。 大切、さ」
はやはり大切な人を思い浮かべた。
「・・・・・・・・・ったぁ・・・・!!!」
が突然痛がったので、範人は驚いた。
「
!?」
「たた・・・・・大丈夫、心配するな」
は痛そうに顔を顰めている。
「そういやお前・・・・・・病人だったな」
「え、あ・・・・・・・・っつ・・・・・・・」
「悪ぃな、見舞いに来たってのに・・・・・・・・」
「・・・・・・・え?」
意外な言葉が帰ってきた。
(何故だ? 範人にしちゃ優しすぎる・・・・・・裏で何か企んでんじゃねーか?)
は痛みに耐えながら考えていた。
このままでは、本当に具合を悪くしてしまうかもしれない。
「どこが痛むんだ?」
「・・・・・・・・・頭・・・・・・・」
範人は額をくっつけてみた。
「熱はねぇ・・・・・・・・
って何か急に熱上がり始めたぞ!? 大丈夫か!?」
「・・・・・・・・・・(うわー顔近い顔近いって)」
「顔も赤いし・・・・・・・」
範人は
を心配しているようだ。
(絶対ぇこいつ心配とかそーゆー柄じゃねーだろオイ・・・・・・・いってぇ・・・・)
「病院行った方がいいんじゃねーか?」
「いや・・・・大丈夫」
「お前明らかに大丈夫じゃねーだろ」
の熱が上がったのは明らかに範人のせいだが、
は本当に具合を悪くしてしまった。
「
っ!!」
はそのまま意識を手放した。