『ん・・・・・・・・・・・・・・』

は夢を見ていた。

まだ自分が、『あの人』と一緒にいた日。

・・・・・」

狂ったような瞳の彼は、 の顎を持ち上げて不敵に笑っていた。

「・・・・・・・離して・・・・・・・・」

今よりも少し幼い は、必死でもがいたが、頭を固定されてしまった。

「んくっ・・・・・・・・苦しい・・・・・・・」

10歳ほどの少女では、やはり彼の力には敵わなかった。

「んっ・・・・・・!!」

そう、彼の名は・・・・・・・・・








6.真実之闇








 「ガ、リ・・・・バー・・・・・・・・」


そう、キャプテン・ガリバー。

だが、彼は既に操られていた。

は、ガリバーに手をかざした。

「くっ・・・・・・・」

「私の知ってるガリバーは、こんなんじゃないッ・・・・・・」

優秀なハンターで、もっと優しかったはずだった。

「フン・・・・・・・・お前の知っているワタシはもういない」

「・・・・・・・・・・それでも」

は拳をギュッと握りしめた。

「お前は・・・・・お前はガリバーじゃない!! 俺は・・・・・ガリバー以外には従わない!!」


「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「お前だって、昔はこんなんじゃなかった!! ガリバーの気持ちくらいわかんねーのかよ!? ガリバーはお前のために・・・・・・・」

「黙れ!!」

ガリバーは の首をしめた。

「んあっ・・・・・!!」

そして、 を突き放した。

「ハァッ、ハァッ・・・・・・」

はゆっくりと立ち上がって、ガリバーを見た。

「どうして・・・・・・・・」

「ん?」

「・・・・・どうしてお前はこんなことするんだ。 ガリバーはお前にとって大切なヤツだったんだろ? それなのに何でガリバーを操る? 何で分かってやれないんだ? ガリバーから聞いた。 ガリバーはお前自身のためにお前を捨てたんだ。 嘘じゃない」

「・・・・・・・・・・・・・・・」












 何度傷つけられても、 は立ち上がっていた。

その瞳はいつでも真っ直ぐと前を見ていた。

そう、どんな時も。

どんなに身体が傷だらけでも、その心がズタズタになっていても、瞳だけは、光を失わなかった。

「俺にとってもガリバーは大切な人だから・・・・・・だから、お前の気持ちだって分からないことなんかない。 だけど、お前の気持ちは歪んでる」

は笑った。

ふらつきながらも、ガリバーの方へ は歩いた。

「キサマにワタシの何が分かる!? ガリバーはワタシを捨てた。 それだけのことだ」

「違う!! ガリバーはホントに・・・・・ホントに・・・・・・・・・お前を大切にしていたんだ・・・・・・・・・・」


――それは、 が初めて今のガリバーに見せた涙だった。

あふれて、あふれて、とまらない。

「・・・・・・分からない。 何故お前は他人のためにそこまで言えるのだ?」

「・・・・っ・・・・・だって・・・・・・・間違ってるから・・・・・・・・ッ」

涙は止まらなかった。

潤んだ瞳は真っ直ぐとガリバーを見ていた。

「俺は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

は俯いて言った。

「親からも邪魔者扱いされた。 ホントに小さい頃から、殴られて、罵られて・・・・・誰も信じられなくなってた。 でも、ある人に出会って、人を信じることを知った。 そいつだけは信じられた」

「・・・・・・くだらんな」

「そいつは・・・・・・・・・ハンターだった」

「!!」

は微笑んだ。

涙は頬を伝ったまま、優しく。

「ハンターとガウストの間にだって、信頼はあるさ。 ただ・・・・お前がそれを知らなかっただけだ」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「別にそのハンターと俺の話じゃない。 俺はパートナーと信頼しあってるハンターをたくさん見てきた。 小さい頃から・・・・・」

「黙れ・・・・・・・・!!」


「ホントにガリバーはお前を傷つけたくなかったんだよ。 ちゃんと理由があったんだ」

最後に、 は涙を流しながら、笑顔でこう言った。

「お互いが・・・・・・・気付いてたらよかったのにね」



































 「んっ・・・・・・んう・・・・・・・」


?」

は薄く目を開いた。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・範人・・・・・・・・・・・・・?」

「・・・・・・・・何言ってんだよ、オレは範人だ! つーかお前かなり魘されてたぜ?」

「ん〜・・・・・・・・・・」

は頭を押さえながら起き上がった。

「ったた・・・・・・・まだ頭がガンガンする・・・・・・・・・・・」

「おいおい大丈夫かよ?」

「ん、へーき。 俺のことは心配しないで、釣ってきていいから」

「でも・・・・「いいから!」

は笑って、範人の背中を押した。

そして部屋から出すと、溜息をついた。

「はぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・もうすぐ現れるのか、七悪霊・・・・・・・・・・・・・・」

には何となく分かった。

昔から、悪いことが起こる前兆として、体調を悪くしていたのだ。

いつ起こるのかは分からないが、範人の前に、必ずそれは現れる。

「範人・・・・・・・ガリバー・・・・・・・・」























 そして翌日。

あまりに頭痛がひどいので、 は頭痛薬を買いに出かけていた。

学校は休みだったので、この時間に ほどの子供が歩いていてもおかしくはない。

は両親と楽しそうに歩いている小さな子供を見た。

「ふぅ・・・・・・・・」

制御装置は目盛りを最大にしているので、七悪霊がいつ現れてもいいようになっている。

「ん・・・・・・・・・・」

範人だ。

チャイドランとすごい騙し合いをしている。

一部始終を は見ていたが、呆れてそのまま薬局に行こうとした、が。

「!?」

心臓がドクン、と鳴った。

「チッ・・・・・・・薬局どころじゃねーかも・・・・・・・・・」

そして、範人とチャイドランの前に、1人のGハンターが現れた。

「範人! チャイドラン! お前等、このボクがブッ倒してやる!」

「なに!?」

だが、そのGハンターは・・・・・・・・

「2人とも覚悟しろォ!!」


とてつもなく貧弱だった。

「ケッ! 貧弱ハンターか。 帰れ!

冷たい風が吹いた。










 「出でよヴァンキュラー!! 七悪霊の力で奴等をブチのめせぇ!!」

現れた。

「なにっ!? あれが、」

「七悪霊だって!?」

その1人、ヴァンキュラー。

当然七悪霊である以上、 のことも知っている。

(それにしてもどうして・・・・・・・・まさか俺を連れ戻しに来たのか!? いや、状況からして違う・・・・・・・・・)

弱杉改め悪杉は範人達にバトルを仕掛けてきたようだ。

「いくぜ!!」

「ガウストバトルスタート!!」


次の瞬間、範人とチャイドランがぶつかった。

「なにすんだ、邪魔だ!」

「お前こそ邪魔チャイ!」

そして相手2人を無視して喧嘩を始めた。

もさすがに呆れて声も出なかったという。

「・・・・・頭痛薬買いに行こ」

身を隠すためでもあるが、余計頭が痛くなったので は薬局へそのまま歩いた。








 「ありがとうございましたー」

は頭痛薬の入った袋をぶら下げながら薬局を出た。

そして、バトルの様子を影からそっと見てみた。

ちょうど今、チャイドランがヴァンキュラーの口に釣りバリをかけたところだった。

「範人!! お前はオレの力が欲しいんじゃなかったのか!?」

「欲しいさ。 けどオレは仲間としてじゃなく・・・・・・・・・・・・」

(・・・・・範人?)

はつい電信柱の影から出て、範人を見た。

「オレの奴隷としてその力が欲しい!!」

トレジャーガウストの糸をバチバチと鳴らせながら、範人は言ってのけた。

「くっそおおおおおーー!!」

「釣ったらあああああ!!」

範人は一気にヴァンキュラーを釣り上げた。

「負けたぁー!! しかし2人とも覚えておけ! 我らは、あの方の命令で動いておるのだ!! あの方の正体! あの方の恐ろしさ!! いずれお前等も知ることになろう!!」

そう言い残して、ヴァンキュラーはトレジャーガウストに吸い込まれていった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はずだった、のだが。

「よっしゃーっ!! 一件落着チャ・・・・・・・・・・、」

『ズポ』

「いっ!?」


範人はトレジャーガウストに手を突っ込んだ。

も思わず声を出してしまったが、次の瞬間何だか胸騒ぎがして、 は反対方向の家へ帰ってしまった。

(どうしてだろ・・・・・・・ヴァンキュラーは釣ったのに・・・・・・・・・・・・・逃げたい!!


そのまま夢中で、息を切らしながら走り続けた。









――それは彼が現れる前兆だった。




(まだ・・・・・・帰りたくない!!)































































  



長めになりました。
元からガリバーもお相手に入ってたし、いいかなーと。
これ書いてる前にDPの15話を書いていたので、ヒロイン何か似てる;
さんが男勝りになった瞬間的な話です。 あのキズが出来て間もない頃?
タイトルは適当。
前の話はなので戻るーって人はイヤホンとか外さないように音も大きくしないように。 気にしない人とかはいいですけど;