が自分の住む家に着いた頃には、もうヘトヘトになっていた。
「んっ・・・・・ハァッ、ハァッ・・・・・・・」
(どうして・・・・・・・こんなに・・・・・・・・?)
彼に早く会いたいという気持ちと、彼の元に戻りたくないという気持ちが、
の中にはあった。
(逃げたい、逃げたい、ニゲタイ!)
・・・・・・どこへ?
(家? でも、それじゃ真智子さんが危ないかも。 俺を連れ戻しに来るかもしれないんだ)
それ以前に、何故バンキュラーと範人が戦っていたのだろう。
(!! 範人とチャイドランが危ない!)
ガウストの気配を頼りに、
はまた走った。
少しでも強いガウストの方へ。
(早く、もっと速く、早く!)
7.唐突悲劇
走り疲れて、
は途中でしゃがみ込んだ。
さっきからガウストの気配を探ってはいるものの、当たりが来ない。
何せこの世の中は広いのだ。
それでも
は、少し休んでまた走った。
そしてとうとう、見つけたのだった。
「チャイ、ドラン・・・・・・・・?」
「えっ?」
チャイドランは見知らぬハンターと一緒にいた。
ハンターの方は、明らかに範人とは正反対の人物だった。
「
・・・・・・どうしたチャイか!?」
は息を荒くして、汗でびっしょりになっていた。
「チャイドラン、知り合い?」
「あ、えっと・・・・・・・うん」
ハンター、王子も
を心配そうに見ていた。
「はや、く・・・・・・・・・・・・く・・・・・・・・・・・・・る・・・・・・・・・・・・・・・・」
そのまま、
はバタリと倒れてしまった。
「
、
! しっかりしろ!!」
「キミ、大丈夫!?」
「ん・・・・・・・・・・・」
王子に抱き上げられた
は薄く目を開いた。
「・・・・・ガウ、スト・・・・・・・・・?」
確かに
の視線の先には、バルカンジャガーがいた。
弱いガウストをいじめようとしている。
「同じガウストをいじめる!? 王子、あいつをこらしめてやりましょう!」
「ダメだ! チャイドラン!」
王子は
を抱き上げたまま右手でチャイドランをつかみ茂みに隠れた。
そして、バルカンジャガーが去った後飛び出した。
「大丈夫かい!?」
は芝生の上で横になっていた。
「王子!」
「?」
ガウストの手当てをする王子にチャイドランが問いかけた。
「なんで戦わなかったんチャイ!?」
王子の動きが一瞬止まった。
「確かに戦いが終わるまで隠れてたのはよくなかったかもね」
そして王子は爽やかに笑ってこう言った。
「でも戦って傷つくのも傷つけるのもイヤじゃん!?」
「・・・・・・・・・でもオレさまは・・・・・・・・」
「オレさまは父ちゃんのかたき七悪霊を倒すパートナーを探してるんチャイ! 王子、一緒に戦ってよ!」
王子はニコ、と笑った。
「チャイドラン、そんなの我慢すればいいじゃん! 復讐に生きたって痛くて辛いだけだよ。 戦いなんてやめてボクと楽しく暮らそうよ!」
その頃
は、範人の声を聞いたような気がして、ゆっくりと起き上がった。
それでも疲れてあまり動けそうにない。
ただ、胸騒ぎは酷くなるばかり。
・・・・そこには、1人でガウストと戦う範人の姿があった。
(無謀な!)
も一瞬口をポカンと開けてそう思った。
「あんな最低なGハンターに味方するヤツはいないよな!」
「・・・確かに範人は最低最悪のGハンターチャイ」
「うんうん」
「ガウストから嫌われようが関係なく・・・・・・」
「そうそう」
戦いはまだ続いていた。
「くっ・・・・・ケホッ、ケホッ・・・・・・・・」
は木で身体を支えながら立ち上がった。
「ガウストを捕まえることしか考えていないバカGハンター・・・・・けど、王子と違ってどんなガウストが相手でも真っ向から戦うハンター・・・・・・」
「そうボクと違って・・・・・・えっ!?」
チャイドランは包帯をとった。
「王子! 王子に優しくされてオレさま、本当に嬉しかったチャイ! でもね王子、戦わなきゃいけないときに・・・・・・・・・・・・」
(・・・・・チャイ、ドラン?)
「一緒に戦ってくれるヤツ! それがオレさまにとって最高のパートナーチャイ!」
「チャイドラン! 行っちゃダメだ!」
王子が引き留めようとするがチャイドランは構わず範人の元へ飛んだ。
「ッ・・・・・!!!」
制御装置は機能しているはずだ。
それなのに、
を激しい眩暈が襲う。
チャイドランは進化し、範人はバルカンジャガーを釣った。
そして、
の顔が苦痛で歪んだ。
チャイドランの進化による反応、頭痛、元からの疲労。
こう心身が脆くなっていては、制御装置など役に立たないかもしれない。
それどころか、身体の変化に
自身がついていかないかもしれない。
最悪の状態で、
は意識を失いかけた。
それでも歩いた。
よろけて倒れては立ち上がり、立てなくなって膝をついてもまた立ち上がる、その繰り返しだった。
『ドン』
「範人!」
チャイドランが何者かに捕まった。
「くッ・・・・・・・・・・・・・・は、ん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!」
長い髪。
顔の傷。
ストラップガンマン。
はそのまま座り込んだ。
絶望感と、ほんの少しの、安堵感にも似た感覚。
「チャイドラン。 やはりパワーアップしたか・・・・・・・・これを恐れていたのだ」
声も、雰囲気も。
やっぱり同じだった。
(お願い・・・・・・・・・・)
ワ タ シ ヲ ヒ ト リ ニ シ ナ イ デ 。
1人でいたら、きっと。
すぐに捕まってしまう。
傍に誰も味方がいない状態。
あの時と同じだった。
まだ、行きたくない、のに。
まだ、一緒にいたい、のに。
早く、元に戻してあげたい、けど。
(・・・・・・現実はそんなに甘くないんだな)
あそこにいるなんて、独りと同じ。
茂みの後ろからようやく出てきた
と、ガリバーの目が合った。
(ビクッ)
ガリバーはこちらを見てニィと笑った。
(え、ちょ、何か迫力倍増してません!?)
「
・・・・・?」
固まっている
に気付いたようで、範人は驚いたように振り返って
を見た。
その様子をガリバーは面白そうに見ていた。
「っ・・・・・・」
もう自分の腕を掴むガリバーの腕を払う力もない。
募っていく恐ろしい感情に、
は今度こそ意識を失った。
「ッ
!」
最後に、範人の叫び声を聞いた。
「ん・・・・・・・・・・・・・・・」
ジャラ、
「ッ!!?」
ジャラ、、
部屋に響く鎖の音
動かない身体
それは疲労からか、それとも
「何これ・・・・・・・・」
ジャラジャラ
(ここどこだよ・・・・・・)
―視界がぼやけてよく見えねーよ
ただ、嫌な懐かしさは感じる
こ の 感 覚
(俺が1番嫌いな場所)
![]()
何だこれ。
BGMつけたかったんですが、立て続けはちょっと・・・・・・・・・・・・・
しばらく
(ガリバー・チャイドラン)sideそして黒背景で続けていく予定なので、いや範人の話も出しますけど。 原作沿いですから。
このヒロイン、DM主と境遇は似てるかもだけど1番不幸(?)な子かも。
ヒロイン基本設定も年齢もポケスペDP主と一緒なのにこの差は何なんだ、とかw
余談ですが、 ウチのサイトの夢小説でシリアス色が強いのは黒背景になっています。
バックする人へ:第6話はBなので注意