「そしてこれが、2人が始末された瞬間!」
男は、博士に護衛2人が消えていく場面を見せた。
あまりにショッキングな映像に、博士は電話を取り落とす。
「娘・・・娘は無事なのか!?」
「もちろん、我々が要求する身代金を払って頂ければすぐにでも自由にします」
「・・・・・・・」
「考えるまでもないはずですよね、ベルリッツさん。 あなたの資産からすれば15億なぞ微々たる額です」
写真を見せられても何とも思わなかった博士。
だが今彼は恐怖に似た感覚に覆われている。
「何者なんだ? キミ達は・・・・それほどの大金を何に使うつもりなんだ」
「我々は『ギンガ団』。 宇宙を作っています」
・・・・・・えーっと、そうだな。
無事ジム戦に来たはいいけれども。
・・・・・・計算問題、健在だなぁ。
『今、何門目?』とか、出たような気がするけど、気のせいかな。
つか、お嬢様頭も結構いいんだな。
私? 3人が邪魔で問題が見えない。
「これで4問連続正解しました」
「・・・・・・ってことはここは4階だから」
メリッサのいるフロア、だな。
「「「!?」」」
・・・・・くらっと来た。 リフト酔い?
いや私はくるくる回る遊園地のアトラクションでも酔ったことはないぞ。
・・・・・あー、気持ち悪い。 お嬢様の名前聞こえない。
・・・・・・・・・耳栓、用意しとくか。 無駄かもしれないけど、呪文対策。
(※
には音が一切聞こえていません)
『 試合、開始!! 』
「 ヨマワル!! 」
「 ゴンベ!! 」
お、ヨマワルとゴンベとは始まっていきなり有利。 相手の技、あんま効かなさそう。
“したでなめる” 威力は低いけど効果は高い、はず。
ほら、何かこいつあれじゃん、相手の実力を計るためにとりあえずぶつけとくタイプの奴じゃん。
KO、みたいだな。
・・・・あぁ、一度戻すのか。 音が聞こえないって不便だな。
今度はフワライドとエンペルト。 ・・・・あー、飛ばされにくそう。
「っ・・・・・・!!」
この風は・・・・多分“あやしいかぜ”だと思う。
やべ、風強すぎ・・・・
「
!! 」
「え、何パール、聞こえない!!」
ただでさえ耳栓してるのに、こう風が強くちゃ・・・・あ。
「
〜、早くこっちへ〜! 」
「 ほら、ここ入れ! 」
・・・・・何か分からないけど、ギャラリーの壁と2人の間に入れられてしまった。
風を凌げるのはいいけど、身体が縮こまる・・・・・かも。
「!」
風を防いでるエンペルトの口元から、何やらキラキラしたものが・・・・
「・・・“ふぶき”!?」
気付いたときには、もうフワライドは凍ってしまっていた・・・・・・・
エンペルトが少しずつ出した“ふぶき”は、風に乗ってフワライドに届いた。
・・・・ん、もう3体目か・・・・・装備、完了。
少しは軽減できるんじゃないかな。
多分・・・・ムウマージが来る。
「・・・・っ・・・・・・!」
あー、やっぱりちょっとクラッと来た。
でも目を開けてはいけない。 開けたら終わりだ。
目をつぶってるのに、映像が・・・・もー、振り払え!!
何も聞こえない、何も見えない、何も・・・・・・
・・・・あれ、いいにおい。
気付いたときには、幻覚を見せられてました。 すいません。
「・・・・・・・・・・」
「お、おい
、大丈夫か・・・ッ!?」
「・・・・・・・・美味そう」
「・・・・・・」
こ・・・これは幻覚! 食べても太らない!!
もう装備を捨てて楽しんでやる!
「いっただっきまーす!!」
「・・・・だ、ダメだ・・・・・・」
んー、美味しい。
「ダイヤやべーならまだしも
まで・・・・・」
「・・・・・・だってこれ、幻覚じゃん。 太んないし?」
そう、これは幻覚。 狂った世界。 パールやお嬢様には辛いだろうな。
べーはべーで遊んでるし、これじゃ何もできやしない・・・・・・
・・・・・まぁここはパールに任せて、私はお菓子を堪能するとしよう。
む、あんなところにローストビーフが!!
最後の一切れを食べ終わったところで、幻覚が途切れた。 ナイスタイミング!
ムウマージは・・・・たんこぶ? それにあれは『くろいてっきゅう』・・・・・・
・・・・・“なげつける”、か。
お嬢様、ちゃんと判断できたんだ。 パールも分かったみたい。
何か途中で“トリックルーム”が発動(?)したみたいで、結果としてべーの方が素速かった、って。
「そういやダイヤは?」
「あっ、そうだ!! ダイヤの奴下に落ちたんだ・・・・・・」
・・・・・いないと思ったら。
「ダイヤーーーッ!! 大丈夫かァーーー!?」
「だいじょ〜ぶ〜まだポワ〜ンとしてるけど・・・・・・」
・・・・・・・あ。
「なんともありまシェ〜〜ン!!」
「・・・・・・・くっ」
「ふへ」
「くす」
「ぷ」
な・・・・・なんだその面白いポーズは・・・・・・・・・!!!
「そうそう、あなた達、旅の途中デショ? ミオの図書館には行った?」
「いいえ」
「NO! NO! 行かなきゃダメよ!! 勉強する子供は必ず行くといい場所!」
お嬢様は断ろうとしてるけど・・・・どっちみち行くんだよなぁ・・・・・
ニュースでもよくやってるんだとさ、学会とかなんとか。
「・・・・・ん?」
「あら? 何かあったのカシラ?」
『ポケモン学会 行方不明者』